logo

HPの通話記録入手スキャンダルにCEOのM・ハード氏も関与--米報道

文:Steven Musil(CNET News.com) 翻訳校正:中村智恵子、小林理子2006年09月21日 22時44分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 取締役等による会議の内容が漏えいした件で情報提供者を特定するために行ったHewlett-Packard(HP)の内部調査で、その核心部分に位置するCNET News.com記者に対して手の込んだおとり作戦が実行されたとされる調査方法に関して、同社最高経営責任者(CEO)Mark Hurd氏の関与が初めて明確になった。

 Washington Post紙のウェブ版が米国時間9月20日夜に伝えたところによると、CNET News.comの記者に対して偽の情報を記した電子メールを送り、その反応を追跡することでHP内部の情報提供者を突きとめようとするおとりメール作戦について、Hurd氏が承認していたことが、HP会長のPatricia Dunn氏が送った電子メールに記されているという。数々の調査の発端となり、HPの倫理観に対する社会的非難を呼び起こしているが、この調査手法が何らかの法律に違反しているかどうかははっきりしていない。しかし、HPの調査戦略の合法性をめぐっては、カリフォルニア州検事局が調査に乗り出しているし、議会も公聴会を開く。

 Washington Post紙の報道によれば、同紙が調べた電子メールの中には、直接Hurd氏にあてたものやHurd氏から送信されたものはなかったが、この戦略をHurd氏が認識し承認していることを示すものが含まれているという。

 HPは調査会社に依頼して、他人になりすまして個人情報を入手する「プリテキスティング」という、法的に疑問のある手法を用いて調査を実施したことで非難をあびている。HPによると内部情報の漏えい元を探すために依頼した調査会社から、同社の取締役たちと従業員2人、CNET News.comの記者3人を含む記者9人、その他の人々(人数は不明)の個人的な通話記録を入手したという。

 非難の砲火をあびたHPは12日、Dunn氏が会長職を2007年1月で辞任し、後任にCEOのMark Hurd氏を指名したことを明らかにした。ただしDunn氏は取締役にはとどまる予定だ。また、取締役のGeorge Keyworth氏が辞任した。ベンチャーキャピタリストで同社ではコーポレートガバナンス委員長を務めていた取締役のTom Perkins氏は、調査に抗議して数カ月前にすでに辞任している。

 Washington Post紙が報道したメールに記述されていたHPの調査戦略は、CNET News.comのDawn Kawamoto記者に関係したものだ。Kawamoto記者は、HPの取締役及び幹部による会議について報じた1月の記事の筆者だ。捜査当局がKawamoto記者に語ったところでは、この記事が報道されて数日後に同記者のもとに届いたメールが、情報提供者を装ったHP内部者から発信されたものだったという。

 後に同じアドレスから発信された別のメールには、HPの新製品に関するマーケティング情報が記してあると思われる書類が添付されていた。捜査当局からKawamoto記者に伝えられた話では、この添付書類には追跡機能がついていて、書類が開封された場合や、転送された場合には、転送先のIPアドレスも含め送信者に知らせる機能がついていたと思われるということだ。

 HPの内部調査に関して事情を知る人々の話として、この調査がDunn氏によって承認され、同社倫理部門を統括する上級顧問のKevin Hunsaker氏の監督のもとで行われたものだと、Washington Post紙は伝えている。

 同紙が調査した2月9日付け電子メールでは、Dunn氏がHunsaker氏およびHPの法律顧問(ゼネラル・カウンシル)Ann Baskins氏に対して、「Mark(Hurd氏)と話をした。彼はこの計画の一員だ」と語り、またKawamoto記者に意図的に情報を流すことについて「何らかの対処をすべきだということには彼も同意している」と書いている。

 また同紙が報道している2月23日付けのメールでは、Hunsaker氏はDunn氏に対して、「ちなみに、Markとは数分前に話したが、考え方にも内容にも満足しているということだ」と書いている。

 Kawamoto記者はこの偽情報を元にした記事は書かなかったが、同記者に伝えられたところでは、HP側は少なくとも3月頃まで何らかの監視を続けていたという。

 しかし、Washington Post紙が報じた内容は、Kawamoto記者が受け取ったメールと完全に一致する訳ではない。

 Washington Post紙はメールの内容に「新しいハンドヘルド製品」に関する記述があったと報じているが、CNET News.comが受け取ったメールにはハイエンドの企業顧客に対するいわゆるユーティリティコンピューティング構想をリブランドする話が含まれていた。

 あるメールに添付されていたファイルには、HPのユーティリティコンピューティング事業に「Infinity」という名をつけたマーケティング資料と見えるものがあった。CNET News.comはこの内部情報らしい知らせを報道しなかった。HPはその後、Infinityというシンボルをサーバー製品シリーズの1つに使用した。

 CNET News.comがこれまでにも報道したように、Kawamoto記者が捜査当局から伝えられたところでは、HPの調査担当者は2月9日から3日間にわたって同記者の身辺を監視することまで行っていたという。HPの調査記録の1つには「2月10日朝、DK(Dawn Kawamoto)その他の対象者に関する観察開始」と書かれていた。調査記録にはKawamoto記者を撮影した監視写真が少なくとも1枚は存在する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

-PR-企画特集