Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間8月15日、「Opteron」プロセッサの次世代バージョン「Rev F」(正式名称「Next-Generation AMD Opteron」)を発表した。これは、競合するIntelの「Xeon」シリーズの最新モデルに対する新たな対抗策となる。
OpteronプロセッサのRev Fバージョンは、すべてデュアルコアで、新しい仮想化機能とより高速のメモリを備え、動作クロックはこれまでの主流モデルと同じ2.6GHzで、AMDの次期ソケット「Socket F」に対応する。Socket Fに対応することによって、これまでのOpteronを次世代Opteronにアップグレードすることは容易ではなくなるが、同時に、2007年リリース予定の4コアプロセッサおよび2010年ごろまでのサーバ設計に対する基礎を築くことにもなる。
「どこかで、スタートを切らなければならない。従来からの改良の場合は、企業は投資が少なくてすむという面を強調するが、 新しい設計に移行する必要があるとなれば、新世代のテクノロジを切り札にする」と、IT業界の調査分析を手がけるIdeas InternationalのアナリストRich Partridge氏は言う。
実際、このNext-Generation AMD Opteronは、Sun Microsystems、Hewlett-Packard(HP)、IBMなどがリリースする新しいサーバ製品に導入される予定だ。すでに伝えられているように、モデルナンバーは現在のOpteronのモデルナンバーより1けた大きくなり、最高で1ウェイなら1000シリーズ、2ウェイが2000シリーズ、8ウェイが8000シリーズとなる。
価格は1000個ロット時の単価で、最もローエンドモデルの255ドルから最速モデルの2649ドルまでとなっている。この新プロセッサは予定通り15日に発表され、さらに2007年中旬にはクアッドコアOpteronの最初の設計が完了すると、OpteronプロダクトマネージャーであるSterve Demkey氏は言う。
調査会社Mercury Researchによると、AMDがサーバ向けプロセッサの発売を始めたのは2003年からにすぎないのだが、発売以来シェアを伸ばし続け、今ではx86サーバプロセッサ市場の26%を占めているという。このように成功した要因の1つには、Intelの新プロセッサであるXeonが、性能の向上よりも排熱と消費電力の上昇で知られるようになってしまったことがある。
Intelは組織を再編し、「Xeon 5100」(開発コード名「Woodcrest」)をリリースしたばかりだ。このプロセッサにより、ローエンドサーバでの性能と消費電力における競争力は再び高まっている。しかし、当面はAMDが主要サーバメーカー4社すべての製品ラインに足場を勝ちとっている。
IBMは、初めてOpteronを搭載したメインストームサーバ製品を8月初めに発表している。また、SunはOpteronに大きな期待をよせており、これまで積極的でなかったx86サーバ市場に参入する手段として、Opteronプロセッサファミリの優位性に期待をかけている。
一方、市場調査会社IDCの調査によると、x86サーバで業界大手のHPは、2006年第1四半期に7万6325台のOpteron搭載サーバを販売しており、これは総販売台数52万744台のなかで1社が占める割合としては最大だという。2006年5月には、長年Intel製のプロセッサのみを採用してきたDellでさえ、サーバ用プロセッサにOpteronを採用する計画を発表している。
「AMDは、しばらくは存在感を主張し続けるつもりでいることをはっきり意思表示している。Intelは、AMDをけ落とそうと試みるだろうが、AMDは一発屋で終ってしまうような企業ではない」と、Partridge氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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