世界のスーパーコンピュータTOP500ランキングにおいて、Advanced Micro Devices(AMD)製Opteronチップのランクが上昇する一方で、IntelのItaniumのランクは引き続き下降したことが明らかになった。また、ベンダー各社のなかで圧倒的な地位を誇ったのはIBMだった。
最新のリストはドイツのInternational Supercomputing Conferenceで現地時間6月28日に正式発表される。TOP500ランキングとは世界で最も早いスーパーコンピュータをリストアップしたもので、「Linpack」という一次方程式の解法プログラムに基づいたベンチマークテストが用いられる。
ここ何年もの間、IntelとAMDのx86プロセッサを搭載したスーパーコンピュータがこのリストの多くを占めていた。今回発表されたTOP500のスーパーコンピュータのうち、301台がIntel製プロセッサを搭載したものだった。なお、64ビットXeonを搭載したコンピュータはこのうちの118台だった。2005年11月に発表された前回のランキングにはIntel製プロセッサを搭載したコンピュータが333台ランクインしており、今回の発表ではその数が減っている。またAMDのOpteronプロセッサは、2005年同時期の発表では25台、前回の発表では55台しかランクインしなかったのに対し、今回はその数が81台となった。IntelのItaniumプロセッサ搭載機の数は、前年同時期の79台から、前回の発表の46台、そして今回の37台へと下降を続けている。
リストではIBMが圧倒的なシェアを誇り、カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所に設置されている「Blue Gene/L」を筆頭に243台がランクインしている。2位と3位の座を獲得したのもIBMのシステムだった(2位はIBM社内の研究所に設置された「Blue Gene Watson」で、3位はローレンス・リバモア国立研究所の「ASC Purple」)。また、上位10台のうち4台がIBMのシステムだった。
IBMの次に大きなシェアを誇ったのは、リスト全体の30.8%を占有したHewlett-Packard(HP)だった。リスト全体の5%以上のシェアを獲得したのはIBMとHPの2社のみだった。SGI、Dell、Crayのスーパーコンピュータも上位10台にランキングされている。
国別では、米国企業のシステムが最も多くランクインし、前年の267台から298台へとその数を増やしている。欧州企業のシステム数は83台へと減少した。また、環太平洋地域の企業のシステムは93台だった。
ローレンス・バークレー国立研究所のアソシエイトラボラトリーディレクターで、本リストの管理も行っているHorst Simon氏によれば、中国は、アジアでこれまで突出した成績を残してきた日本を追い上げているという。今回のリストには、日本のシステムが29台入っていたのに対し、中国のシステムは28台だった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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