Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間3月6日、動作クロック2.6GHzの「Opteron」プロセッサを3モデル発表する計画だ。かつてIntelが独占していた市場に攻撃を仕掛ける同社は、これらの製品を擁して、その取り組みを強化する意向だ。
AMDのOpteronプロダクトマーケティングマネージャBrent Kerbyによると、デュアルコアの「Opteron 185」「Opteron 285」「Opteron 885」の動作クロックはそれぞれ2.6GHzで、2.4GHzで動作していたこれまでの最上位モデルと比べて処理能力が4〜15%向上しているという。これらの新モデルは、AMDにとって最大のライバルであるIntelが半年に1度のIntel Developer Forumをサンフランシスコで開催する1日前に、発表される。
シングルプロセッサ対応のOpteron 185は、価格体系が発表されてから30日以内に発売される予定だ。2ウェイサーバ用のOpteron 285は、1000個出荷時には1051ドルで販売される。4ウェイおよび8ウェイサーバ用のOpteron 885の、1000個出荷時の価格は2149ドルだとAMDは述べる。
AMDは、Opteronプロセッサの開発にあたり、メモリ操作時により多くのデータを扱える64ビットアーキテクチャや、デュアルコア設計など、サーバ用プロセッサに有効な機能を複数取り入れることで、Intelの「Xeon」に先行してきた。IDCによると、x86サーバ市場におけるAMDの売上シェアは、2004年第4四半期の6%から、2005年第4四半期には14.3%まで拡大したという。
これらのチップの最大消費電力は、これまでのモデルと同じ95ワット。だが、AMDでは、特定のニーズを持った顧客向けに主流モデルとは別のモデルも発表している。
AMDはこれまで、Opteronの新モデルが市場に投入されてから約3カ月後に、低電力版「HE」をリリースしてきた。HEモデルは、動作クロックが400MHz遅いが、最大消費電力が55ワットにまで抑えられている。Hewlett-Packard(HP)とIBMは、主要モデルと同じ性能で動作し、消費電力が68ワットのモデルを購入し、それぞれのブレードサーバで採用している。
Kerbyによれば、AMDは2006年末までにOpteronの新モデル「Rev F」(開発コード名「Santa Rosa」)を発表する予定だと言う。「Rev F」のモデルには、新しい機能が2つ含まれるという。そのうちの1つが、バーチャルマシンと呼ばれる個別のパーティション上で複数のOSを稼働させる仮想化技術「Pacifica」だ。そして、もう1つがセキュリティを向上させるための技術である「Presidio」である。
Rev Fでは、DDR2メモリをサポートする予定だ。Intelは、すでにDDRからDDR2へと移行しており、今ではFB-DIMM(Fully Buffered Dual Inline Memory Module)という技術を採用し始めている。FB-DIMMで採用されているメモリモジュールはDDR2と同じものだが、DDR2では多くの数のパラレルインターフェースを用いてデータを転送するのに対し、FB-DIMMで採用されている新しいシリアルインターフェースでは少数の高速リンクを利用してデータを転送する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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