常に楽観的な人々
それでも、IBMの好決算は業界全体の持続的好転に関する論議に火をつけるには十分だった。Merrill Lynchは19日に発表した調査レポートの中で、「第4四半期のIBM製ソフトウェアの売上増は、12月の業界全体の売上が好調であるに違いないことを示すもう1つの兆候と考えている。年末は季節柄、企業によるIT投資が大幅に増加するが、今回も同様と見られる」と述べている。
他のソフトウェアメーカーも好業績を上げている。CRMや関連アプリケーションを開発するSiebel Systemsは今月、2004年第4四半期の売上がアナリストらの予想を上回ると発表した。同社はその要因として、ライセンスやオンラインアプリケーションの契約増を挙げている。また、Oracleも好調だ。同社は2004年12月に、同年第2四半期の売上が前年比32%増となったと発表した。
Moskowitzによると、ビジネス統合ミドルウェアや管理といった、IBMが特に好業績を上げた分野では、Tibco、Mercuryといった他企業の業績も好調だったという。同氏は、IBMが発表した同社の高い成長率について、ドル安や同社が行なった一連の企業買収が追い風となった、と付け加えた。
しかし、大手エンタープライズソフトウェアメーカーの業績は上向いているものの、ソフトウェア部門全体にはかつてほどの活気はない、と一部のアナリストは指摘する。
長年、企業顧客に製品を供給しているメーカー各社は、コスト削減に取り組む顧客企業からの値下げ圧力に直面している。また、オープンソースやSalesforce.comが提供しているようなオンラインアプリケーションへの企業の関心が高まっている点も値下げ圧力が増している1つの要因だ。これらの状況は、幅広い製品やサービスを提供できる大規模企業にとっては追い風となっている。企業顧客がベンダーの絞り込みを行なっているためだ。
たとえば、IBM、Microsoft、Oracleといった大手データベースベンダーは、自社のパッケージ製品にデータ分析ツールを追加し続けており、Business ObjectsやHyperionといった独立系のビジネスインテリジェンス企業にとって大きなプレッシャーになっている、とEmbersitsは指摘する。実際、多くのアナリストは、ビジネスインテリジェンスとデータ分析の分野について、すでに合併/買収の大きな波を経験しているが、今後さらにベンダーの整理統合が進むと見ている。
「ソフトウェアは依然として売れており、どの市場でも熾烈な競争が展開されているが、誰かが手に入れ、自分のものにできるような新たなニッチ市場が存在するかどうかは定かではない」と語るのは、Shareholder Value Managementのアナリスト、Jeff Embersitsだ。同氏はさらに「大手ソフト企業は今後も、相変わらず(自社製品に)機能を追加したり、機能性を高めていくだけだろう」と付け加えた。Shareholder Value Managementは2004年秋以降、大半のソフトウェアメーカーの株価が下落すると予想してきている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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