カリフォルニア州レッドウッドシティ発--長きにわたったPeopleSoft買収騒動にけりをつけてから1週間半後の米国時間18日、Oracleは、サポート対象となる製品や新たな開発ロードマップ、若干の役員人事異動を発表した。
アナリストや消費者、マスコミ向けに行われたこの発表で、OracleはPeopleSoftの顧客が抱いてきた懸念に対する自社の見解を明らかにした。また、103億ドルにのぼる買収の完了後に同社がとる今後の戦略の一端を垣間見せた。
この買収契約が成功裡に終わるかどうかは、OracleがPeopleSoftならびにJ.D. Edwardsの顧客の目をいかに自社製品へ向けさせるかにかかっている。一方、Oracle製品への乗り換えを希望しない顧客には製品サポートを受けるよう勧め、他ベンダーに彼らを奪われないようにする必要がある。ちなみに、J.D. Edwardsは、2003年にPeopleSoftに買収されたソフトウェア企業である。J.D. EdwardsがPeopleSoftに買収されたのは、OracleがPeopleSoft買収を検討し始める直前のことだった。
会見に臨んだOracleのCEO、Larry Ellisonは、まるで呪文のように「継続性」という言葉を繰り返した。
「われわれは、Oracle、PeopleSoft、J.D. Edwardsの顧客企業にとって、継続性がいかに重要かということを理解している。PeopleSoftに対して、J.D. Edwardsに対して、そしてもちろんOracleに対して顧客がこれまでに行った投資が、無駄になってしまうということは起こらない。少なくとも今後10年間、3社の現在の製品ラインのサポートは続けるつもりでいるし、また機能強化も図る予定だ」と、Larry Ellisonは力説する。
Ellisonはまた、Oracleが4つの仕事に同時に取り組むことを発表した。すなわち、PeopleSoft、J.D. Edwards、Oracle各社製品、および「Project Fusion」と呼ばれる複合製品の開発・サポートである。
「既存製品の開発を継続すると同時に、J.D. Edwards、PeopleSoft、Oracleの各製品を統合して、言うなれば『超』アプリケーション・スイートを作り出したいと考えている。今やわれわれは類のない巨大企業となり、豊富なリソースももっている。既存3製品の開発と、それらを複合した後継製品の開発を同時に行う能力は、十分にある」(Ellison)
PeopleSoftの取締役会がOracleによる同社買収を認可したのは、12月も半ばに入ってからである。それは、18か月に及ぶ買収をめぐる激しいつばぜり合いが収束し、実りある関係を生み出した瞬間だった。
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