増田千穂(エースラッシュ)
2006/10/13 11:00
ソフトウェアは開発するか、パッケージを購入してインストールするものだというのが従来の常識だった。しかし、ブロードバンド環境が整った現在、各種機能をWebアプリケーション化してインターネット経由で配信することで柔軟なシステム構築環境と低コストで最新の機能を利用できる環境が注目されている。これを実現するものとして、「SaaS (Software as a Service)」の推進を提唱し、「AppExchange」の提供を開始した米salesforce.com, inc.のCSO(Chief Strategy Officer)であるTien Tzuo氏がSaaSの特徴と可能性について語った。
salesforce.com, inc.は現在、2万4800社、50万1000ユーザーを擁している。2006年1月にリリースしたSaaSサービス「AppExchange」も200社から提供される300以上のアプリケーションを利用できるようになり充実してきた。テスト利用のためのダウンロード数は14万、実利用のためのダウンロード回数は1万2500回となっている。
現在ではブロードバンドが普及したことからWebページも表現力が豊かなものになった。これに合わせて、コンシューマ向けのサービスとしては、GoogleやAmazon、eBayといったもののサービスが強化され、多く利用されるようになった。「コンシューマの世界に対して、ビジネスの世界が遅れていると感じられるかもしれない。セールスやマーケティングの管理などを行うアプリケーションがコンシューマ向けのサービスのようにWeb経由で提供されないのか、どうして実現しないのかと思う人もいるかもしれない。しかし、ビジネス向けソフトウェア業界でもこれに対応する展開が始まっている」(Tzuo氏)。
80年代のメインフレームからパーソナルコンピュータへの移行、それに続く90年代のクライアント/サーバへの移行に続く新しいテクノロジーであり、新しいモデルがオンデマンドによるアプリケーション提供だとTzuo氏は語る。「オンデマンドなアプリケーションはインストールの手間が不要で、既存のインターネットというコネクションをすぐに利用することができる。インターネットは距離に関係なく人をつなぐインフラであり、新しいOSになったともいえる。業界に大きな変革をもたらすのがオンデマンドビジネスアプリケーション、SaaSだ」(Tzuo氏)。
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