6月に開催されたCNET Japan Innovation Conference(CJIC)の第2回として、現在もっとも注目されている「検索サービス」に焦点を当てたカンファレンスイベント「CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn」が11月18日、六本木アカデミーヒルズで開催された。会場は500名の参加者で満席状態となった。
本レポートは、米Microsoft ジェネラルマネージャーのDerrick Connell氏の講演について取り上げていく。
今回の講演のテーマを「検索とデジタルマーケティングの始まりの始まり(Beginning of the Beginning for Digital Marketing)」と題した理由として、Connell氏は冒頭にこう述べた。「もう検索の革新の余地はない、といわれることがありますが、まだほんの始まりにすぎないと私は考えています」
Connell氏は現在の検索はわからないことを400人に聞くようなものだが、もし地球上にあるすべての情報を検索できれば800万人に聞くのと同じ結果が得られると話す
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ユーザーの声を聞くと、検索エンジンの操作性、検索にかかる時間など、不満に思っていることがあるのが明確に浮き上がってくる。まだまだ改革の余地は業界に残されているのだと強調。そしてこれからの検索には何が必要か、具体的な話を進めていった。
まず、検索サービスとデジタルマーケティングについて、最近のトレンドと問題点が取り上げられた。
多くのユーザーは、インターネット上のエクスペリエンス(経験)をコントロールしたがっている。「ユーザーの利便性を考えれば、我々がどのようにテクノロジーを作って消費者の求めているものを提供してかなければならないかがわかります。そのひとつとして、ユーザーがフルコントロールできる環境を守ることが重要なのです」
ブラウザのホームページをデフォルトの与えられた設定のままにしていないユーザーが増えているように、検索ページも自ら使いやすい環境にカスタマイズし、管理していくことを望んでいるのだとConnell氏は話した。
次に、現在のトレンドとして、コミュニケーションがウェブに集中していることが挙げられた。例えば、ウイルスやスパムなどの影響で、ユーザーは以前のようにはEメールアドレスを簡単に公開しなくなった。代わりとなるコミュニケーションに、インスタントメッセージが活用されているのだ。
このほか、音声やビデオを使ったコミュニケーションへの関心も高まっている。Connell氏は話の中で、自分の家族が引っ越しをきっかけに遠いところに住む親せきや友人とビデオコミュニケーションをとっているという体験を話し、テクノロジーに詳しくなくても、利便性がわかれば新しいコミュニケーションを積極的に取り入れるという実例を紹介した。
そして、もう1つ注目すべき変化として、自己表現の拡大を挙げた。これまでインターネットは見るだけだったが、ブログなどのツールで簡単に個人が意見を発信できるようになった。しかもユーザーが自分のブログに広告を表示するサービスが登場したことで、自己表現のビジネスモデルができたことを指摘し、テクノロジーと広告が合わさることで広がっていく可能性を語った。
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