AppleとTeslaは似ている会社だ。それぞれ、シリコンバレーで始まり、iPhoneと電気自動車という、デザインと性能面で優位性のあるハードウェアを持つ。これらはソフトウェアによって進化を続け、市場投入後、消費者が手に入れてからも、価値が増大するよう設計されている。
実際、iPhoneはiOS 16にアップデートされ、古いハードウェアでも文字認識や画像の切り抜きなどの新機能が使えるようになった。Tesla Model 3はほぼ毎月アップデートがあり、地図の改善や画面表示の最適化、新機能の追加などが施されている。
両社は、人々が面倒だと思ったり、不便だと感じている部分を発見し、これをハードウェアとソフトウェアで解決しようとしている。その例が、AppleのAirPodsのワイヤレス接続の面倒臭さの解消であり、Teslaのスーパーチャージャーのネットワークによる充電の不便さの解決だった。
そんな似ている企業のトップが、先週、Appleの本社であるApple Parkで話し合いを持ったという。
ことの発端は、11月28日からマスク氏がTwitterで、Appleのことを批判し始めた点にある。その内容は、AppleがTwitterへの広告出稿を減らした上で、App Storeから排除することを検討しているというのだ。
AppleはTwitterにとって最大の上顧客であり、AppleがTwitterで展開した広告費は、2022年の第一四半期で4800万ドルとされている。そのAppleがTwitterへの広告出稿を取りやめることになれば、Twitterの広告売上に大きな影響は免れない。
マスク氏は、App Store内の購入に「秘密の30%税」を課し、App Storeから締め出すと脅してきたと主張した。このことが事実だとすれば、Twitterへの広告出稿を考える企業にとって、非常に大きなリスクだと言える。アプリがiPhone向けに自由にダウンロードできなくなれば、先進国の4〜5割のスマートフォンユーザーが、Twitterアプリを通じて広告を目にしなくなる可能性があるからだ。
これらについて、実際にAppleが広告出稿を減らしたのか、またストアからの排除を指摘したのか、事実確認は特に行われていない。マスク氏は広告出稿を取りやめた企業に対して直接連絡をして非難しており、そうした行動の一環である、とFinancial Timesは指摘する。
そうしたツイートの2日後、11月30日に、マスク氏はAppleでティム・クックCEOと面会し、Apple Parkを見学したことをツイートした。リングビルディングの中庭にある池を動画で紹介し、その後「良い会話ができた」「AppleはTwitterをストアから排除しようと考えておらず、誤解を解けた」と続けた。
Thanks @tim_cook for taking me around Apple’s beautiful HQ pic.twitter.com/xjo4g306gR
— Elon Musk (@elonmusk) November 30, 2022
マスク氏とクック氏の会話の詳細について深く明かされているわけではないが、Twitterの現在の試作、すなわち過度な広告収入への依存からの脱却を考える時、他のサブスクリプション系サービスと同様に壁にぶつかるのがAppleやGoogleのストア手数料である30%という壁だ。
Twitterはマスク氏に買収されてから、サブスクリプションサービス「Twitter Blue」を3ドルから8ドルに値上げした。倍以上の大幅な値上げとなるが、これに伴ってAppleが手にする手数料も、同様に倍以上になる。
マスク氏に限らず、企業の体質改善のための改革で売上を伸ばす努力をしている側からすれば、Appleの手数料は面白くない。これはSpotifyやNetflix、Amazonまでもが通ってきた道だ。ちなみに、Appleはサブスクリプションサービスの手数料について、2年目以降継続しているユーザーの分は半額の15%に割り引かれる。
またクック氏も言いたいことはあるはずだ。Twitterがより原理的なフリースピーチに傾倒することについて、Appleとして放置できないと考える可能性は大いにある。
App Storeはユーザーの安全性をブランドとしており、マルウェアやスパイウェアは元より、犯罪やフェイクニュースによる混乱などを引き起こす可能性を排除する意向を諦めてはいない。
ひとまず当面の誤解は解けたようではあるが、良い意味での緊張関係がマスク氏とクック氏の間で続くことになるのではないだろうか。
E・マスク氏、Twitter上でアップルを攻撃(11/30) E・マスク氏、アップル本社でクックCEOと面会(12/01)AirPods Pro(第2世代)のレビューで指摘されていたのは、アクティブノイズキャンセリング(ANC)が期待以上に、大幅に強化されていた点だ。筆者も特に驚かされたのが、定常音をより効果的に抑えていると感じた。H2チップの搭載によって、初代では秒間200回だった処理を、秒間48000回へと大幅に引き上げて、ノイズを除去していることが影響していると考えられる。
また音質についても向上している。歪みの少ないドライバーとカスタムアンプという構成自体は、初代AirPods ProやAirPods(第3世代)と同様だが、こちらでもH2チップが加わったこと、そしてアコースティック設計の向上によって、透明感が高く、しっかりとした中低音を楽しむことができる。
バッテリー持続時間が4.5時間から6時間に伸びたこと、AirPods Proの軸の部分を上下にスワイプして音量調節が可能になったこと、そしてケースにはスピーカーが備わり、U1チップによって探し出しやすくなったことなど、幾つもの使い勝手の向上が備わっている。
アップルのイヤホン「AirPods Pro(第2世代)」レビュー--前モデルから着実に進化(11/30)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」