アップルのAR/VRヘッドセットのうわさまとめ--発売時期、M1チップとの関連性など - (page 3)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年06月03日 07時30分

 Oculus Quest 2(現在の正式名称は「Meta Quest 2」)は、現実世界を表示し、部屋の境界線などの仮想オブジェクトをある程度重ねることができるが、Appleのヘッドセットはより高度なパススルーARを模索している可能性がある。筆者は、Varjoなどの企業のヘッドセットで、パススルーARの素晴らしい使用例を見たことがある。これは、Appleが将来的により小型のスマートグラスのデザインで3D AR技術を開発するための足がかりになるかもしれない。

 現時点では、空間認識によってホログラフを重ね合わせることができる、高度な3Dオーバーレイを実装した普通の見た目のスマートグラスは、どのメーカーも開発していない。「NrealLight」など、いくつかのデバイスがそれを試みているが、結果はまちまちだ。Meta初のスマートグラス「Ray-Ban Stories」はARではなかった。Metaは将来的にその技術を実現するための開発に取り組んでいる。Appleもスマートグラスで同様のアプローチを採用するかもしれない。

VRヘッドセットは「プロ」向けのデバイスになる可能性も

 これまでのほとんどの報道は、AppleのVRヘッドセットが非常に高額かつ高性能になり、メインストリームユーザーではなく限定的なユーザー層をターゲットとする可能性を示唆している。それが事実なら、「Varjo XR-3」のような既存の高度なVRヘッドセットと同じように、ビジネスユーザーやクリエイティブユーザーといった層をターゲットにするのかもしれない。

 筆者はVarjoのハードウェアを試したことがある。XR-3が提供するユーザー体験は、Appleのヘッドセットのロードマップになるかもしれない。XR-3は、極めて高解像度のディスプレイを備えており(Appleも同じことを目指しているようだ)、パススルーカメラを使用してARとVRを複合現実に融合させることができ、プロレベルのクリエイティブツールとして設計されている。XR-3のLiDARセンサーも、同様のセンサーをAppleが統合する際の手がかりになるかもしれない。

 しかし、Varjoのヘッドセットやほとんどのプロ向けVRヘッドセットは、何本ものケーブルでPCに接続されている。Appleのヘッドセットは、Quest 2と同じように、スタンドアロンのデバイスとして機能するだけでなく、「Mac」に接続した状態でも動作する可能性がある。現行の他のPC対応ヘッドセットよりもはるかに軽量で、スタンドアロンデバイスとしてもシームレスに使えるプロフェッショナル向けヘッドセットを作ることが、Appleの強みになるかもしれない。ただし、クリエイター向けの真のプロ用ツールだと感じさせるアプリやツールをAppleがどれだけ生み出せるのか、現時点ではわからない。

操作はハンドトラッキングか、小型のウェアラブルデバイスか

 Appleのヘッドセットに関するThe Informationの過去の報道では、現在多くのVRヘッドセットで使用されている、複雑で大型のゲームコントローラーのような周辺機器ではなく、それよりも簡素なコントロールシステムが採用される可能性が示唆されている。Appleのヘッドセットは、多くのVRおよびARヘッドセットがすでに実現しているように、ハンドトラッキングで操作するようになるはずだ。しかし、入力用に何らかのコントローラーのようなアクセサリーもおそらく必要になるだろう。このコントロール/入力の課題を解決することが、多くの点で大きなハードルの1つとなっているようだ。

 Apple Watchがそのコントローラーになるのだろうか。その可能性はあるが、Apple Watchのモーションコントロール機能とタッチスクリーンは、Appleヘッドセットが必要とする複雑な操作には不十分かもしれない。iPhoneをペアリングして、コントローラーとして使用できる可能性もある。Qualcommは、そのようなスマートフォン接続型グラスが次のトレンドになると考えている。

Forcal
Googleが買収したNorthが開発したスマートグラス「Forcal」試作品のデザイン。
提供:North

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