アップルのAR/VRヘッドセットのうわさまとめ--発売時期、M1チップとの関連性など - (page 6)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年06月03日 07時30分

 QRコードには、「スマートではない」世界でARの普及を加速させる効果があるかもしれない。「iPhone 11」以降のiPhoneに搭載されているミステリアスな「U1」チップは、ARオブジェクトの配置の精度を向上させたり、U1チップを使用すれば、屋内ナビゲーションツールとしての精度が向上するかもしれない。

 2021年に登場したAppleの「AirTag」は、サムスンの「SmartTags Plus」によく似た機能を備えており、両機とも超広帯域無線(UWB)技術を使用している。AirTagは、ARを使用するiPhoneアプリで位置を確認することができるが、この機能はAppleが今後発売するVR/ARヘッドセットにまで拡張されるかもしれない。Appleのすべてのオブジェクトがお互いを認識できるのなら、家の中で位置情報を送受信するビーコンにもなれるはずだ。U1チップは、屋内用ナビゲーションの精度を高めるツールにもなるかもしれない。

 Microsoftが提供する共同作業用の複合現実プラットフォーム「Microsoft Mesh」は、仮想空間にいる人々との会議を、職場のような環境で即座に実行できることを示している。Appleはすでに複数人が参加する実地でのAR体験を可能にしているが、必要な次のステップは、Microsoftが開発しているような、ARとVRの共同作業用プラットフォームを実現することだ。

Appleには深度検出ハードウェアがすでにある

 Appleは、近距離でも遠距離でも世界を感知できるカメラアレイにすでに多額の投資を行っている。「iPhone X」以降のすべての「Face ID」搭載iPhoneの前面に配置された「TrueDepth」カメラは、Microsoftの「Kinect」を小型化したようなもので、数フィート(1フィートは約30.5cm)離れた距離から対象をスキャンして、3D情報を検出することが可能だ。その精度は、信頼性の高い顔認識に使用できるほど高い。最近のiPhoneやiPadに搭載されているAppleのLiDARテクノロジーは、それよりもはるかに遠く(数m)離れた距離からスキャンすることができる。スマートグラスの場合、それくらいの距離が必要になるだろう。

 Appleの既存のLiDARテクノロジーをカメラと組み合わせると、今でも十分な精度で環境や3Dオブジェクトをスキャンできる。「iPadOS 15」は、LiDARスキャナーを使用して、より高度な深度機能や部屋をメッシュ化する機能を実現している。どうやらこれは、Appleがより現実的なARグラフィックスの新たな波を生み出すために必要なミッシングリンクであるようだ。

 これに加えて、Appleが「マップ」で実施している、より大規模なLiDARスキャンは、「ロケーションアンカー」と呼ばれるテクノロジーによって、現実世界の場所に仮想オブジェクトを重ねることを可能にする。Appleが導入している深度スキャンは世界規模の野望に発展する可能性もあるのではないだろうか。急にそんな気がしてきた。

新型MacはVR/ARに対応可能

 最新のM1搭載Macは、AppleのiPhoneやiPadに非常に近づいている。つまり、ARやVRを実行するために必要な技術的性能が大幅に向上しているということだ。複数のデバイス間で共通の基盤を構築すれば、ヘッドセットをiPhoneやiPad、Macに対応させ、ユニバーサルなAppleデバイスアクセサリーにすることが可能になる。

 これは、Appleが、クリエイティブなワークフローで何らかの役割を果たしたり、ゲームやアプリで使用したりできるVR/ARヘッドセットを提供するつもりであるなら、非常に重要である。現行のVRヘッドセットは、特定のWindowsゲーミングPCと接続する必要があり、今でもiOSやAndroidスマートフォンとはうまく連携しない。これは、既存のVRヘッドセットの制限の一因となっている。

AirPodsを装着した筆者
AirPodsはばかげた製品という扱いだったが、今や無くてはならないものとなった。スマートグラスでも同じように成功できるだろうか。
提供:Sarah Tew/CNET

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