ハイテク業界は私たちの日常のあらゆる部分に浸透し、現代の生活に欠かせない存在となっている。しかし、IDCのデータによると、スマートフォンの出荷台数は減少傾向が続いている。2022年第1四半期の世界出荷台数は前年同期比8.9%減の3億1410万台だった。IDCの予想より3.5%低かった。
もっともな理由が多くあるとIDCは指摘する。中国では、新型コロナウイルスの感染拡大で市民に対する厳格な隔離措置が取られており、ロシアがウクライナに対する理不尽な戦争を続ける中、世界でサプライチェーンの中断が引き起こされている。その結果生じる経済的な不安定性が常態化し、株式市場の混乱を招いている。
IDCのリサーチディレクターNabila Popal氏は、「物事が悪い方向に向かっていたようだ。コンシューマーのセンチメントはすべての地域、特に中国で、インフレと経済の不安定性に関する大きな懸念から広くネガティブになっており、コンシューマーの消費が冷え込んでいる」とコメントした。「これらすべての不確実性を前提とし、多くのOEMはより控えめな2022年の成長戦略を採用している」(Popal氏)
世界スマートフォン出荷の首位はサムスンだ。7360万台を出荷した。前年同期から1%以上減少している。2位はAppleだ。3位は中国の小米科技(シャオミ)で、出荷台数は18%近く減少している。4位のOPPO、第5位のvivoはいずれも中国企業だ。出荷台数はそれぞれ、約27%減、約28%減だった。
Appleは「iPhone 13」が好調で、最新の四半期決算は予想を上回った。主要スマートフォンメーカーで唯一、出荷台数が増加している。IDCによると、「iPhone」の出荷台数は前年同期比で2.2%増の5650万台だった。
Appleも先週、新型コロナウイルスのロックダウンによる供給不足で、製品ライン全体で売上高が最大80億ドル(約1兆円)低下する見通しだと明らかにした。IDCの世界モバイルデバイストラッカー担当グループバイスプレジデントRyan Reith氏は、「われわれの調査で、サムスンとAppleは、競合他社よりも少しうまくサプライチェーンの難局を切り抜けていることが分かる」と述べている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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