新型コロナウイルスの世界的流行が続く中、中国の工場が3月末から操業を再開し、世界各地の販売店が5月から6月にかけて営業を再開したことで、米国では2020年度第2四半期にスマートフォンの出荷台数が前四半期から11%増加したという。Canalysが米国時間8月11日に公開したレポートで明らかにした。出荷台数は3190万台で、前年同期と比べれば5%減となる。
Canalysによると、同四半期に米国で出荷されたスマートフォンの約70%が中国で製造されたもので、この割合は第1四半期の60%から増加した。また、出荷されたデバイスのうち、10台に7台はAppleまたはサムスンの製品だったという。Appleは第2四半期に1500万台の「iPhone」を出荷しており、「iPhone SE」の発売も手伝って市場シェアは47%に達した。一方、サムスンの出荷台数は前年とほぼ同じだが、「Galaxy S20 5G」シリーズの出荷台数は2019年度第2四半期の「Galaxy S10」シリーズと比べて59%少なかった。「サムスンは出荷台数の下支えに関して、ローエンド製品の『Galaxy A10e』と『Galaxy A20』に大きく依存している」とCanalysは分析している。
「新型コロナウイルスの世界的流行によって消費者は自宅待機を余儀なくされ、米国での5Gの展開は出鼻をくじかれた」と、CanalysのアナリストVincent Thielke氏は指摘している。「店舗の休業やウイルスへの恐れからデモ機に実際に触れてもらう機会に制約が生じ、消費者の懐が冷え込んだことで購買力がさらに抑制された。その上、米国の郊外では5Gネットワークのサービスエリア展開が十分でなく、消費者にとってはむしろ4Gデバイスを購入する理由が多く見つかる状況だった。ただし、現時点では精彩を欠く5Gの展開だが、今後の数四半期にわたる通信キャリアの強力なマーケティング施策が、複数年をかけたLTEから5Gへの移行を促す上で、大きな役割を担う」とThielke氏は記している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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