2021年第1四半期決算は、初めて1100億ドルを突破する売上高を記録し、iPhoneの好調、ウェアラブル部門の急成長の持続、Mac、iPadへの需要の高まり、サービス部門の堅調さなど、Appleの製品・サービスのポートフォリオすべてで、その戦略が成功している状態が作り出された。
iPhoneについては、2年サイクルが崩れて2017年から不完全な状態が続いてきたが、5G対応と、iPhone 6以来6年ぶりとも言うべきデザインの大幅な刷新によって「スーパーサイクルが作られた」との見方もされている。
確かにウェアラブルも手応えがあるものだし、サービス部門も4年間で売上高2倍という目標を達成し、なお成長を続けていることから、満足いく状態と言うこともできる。
しかし、Appleやわれわれが生活の中で「iPhoneの次」を求めるかどうかは別にして、更なる成長の持続を目論むなら、やはり「iPhoneの次」を考えざるを得ない。そこで登場するのが自動車、というわけだ。
先週まで、Appleは、韓国の自動車メーカー現代と起亜と、電気自動車製造に関して協議しているという話が流れた。さらにTeslaや日本の自動車メーカー各社とも協議しているという情報が流れている。
しかし一転、今週になって、韓国の自動車メーカー2社は「Appleとの電気自動車製造の協議はしていない」との報告を証券取引市場に行っており、ニュース自体が間違いであったことが認められた。このニュースが流れたタイミングで現代、起亜ともに株価の上昇が見られており、疑念を持って受け止めていただけに、真相が気になるところだ。
今週はポルシェの元シャーシ開発責任者がAppleに参画したニュースが流れているが、この後実際にAppleが自動車製造に乗り出すのかどうか、注目が集まっていくことになる。
「Apple Car」、ヒュンダイのEVプラットフォームを採用か(2/3) 「Apple Car」プロジェクト、ポルシェの元シャーシ開発責任者が合流か(2/5)Appleはウェアラブル・ホーム・アクセサリー部門で、身につけるデバイス(ウェアラブルデバイス)が好調だ。Apple Watchは既に発売から5年が経過しているが、新たに購入するユーザーで占められ、引き続き普及期の最中であることをうかがわせる。
またAirPodsはラインアップも拡充し、2021年中のラインアップ刷新も見込まれる。いずれもAppleが初めて登場させた製品カテゴリではないが、市場のトップを独走する形で先行者利益を享受する形となった。
Apple Watchで加速度センサーと心臓にまつわるセンサーを充実させ、ヘルスケアデバイスとしての側面、エクササイズに最低なデバイスとしての側面を併せ持つ。一方AirPodsは、人々の聴覚をスマートフォンやその先のインターネットに接続するデバイスとして認識することができる。Clubhouseの人気も、iPhoneとAirPodsの組み合わせが貢献しているのではないだろうか。
では次は?と考えると、視覚に注目が集まる。Appleは8KのMRヘッドセットの開発が報じられた。その価格の高さも驚くべきで、用途は限定的になる可能性が高いかもしれない。しかしAppleは、2020年5月にスポーツVRを配信するNextVRを買収しており、Bloombergも2022年にVRヘッドセットの発売計画を報じた。
VRへの取り組みが浮き彫りになっているが、VRはFacebookが、MRはMicrosoftがデバイスとしては先行している。これらの企業から取り組みから遅れているだけに、Appleがどのようにして巻き返しを図るかが注目となる。デバイスだけでなく、Apple TV+などのサービスを巻き込む形での立ち上げが理想的と言える。
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