最も期待外れに終わったデバイス5選--「セグウェイ」から「NeXTcube」まで

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年07月16日 07時30分

 「セグウェイ(Segway)」の生産が終了することを今知った(ため息)。多くのメディアはセグウェイについて、歴史上最も誇大宣伝されたテクノロジー製品だと評している。それを聞いて、もちろん、筆者は考えさせられた。

 筆者が住むノースカロライナ州アッシュビルでは、観光客がセグウェイで移動する姿を見かけることがある。自動的にバランスをとるこの二輪車のことは、前からずっと気に入っていた。確かに、ベンチャーキャピタリストのJohn Doerr氏は、セグウェイが史上最速で売上高10億ドルを達成する企業になり、インターネットよりもビッグなものになると予想していたが、結局、セグウェイが世界を変えることはなかった。それは認めよう。

 だが、このように誇大宣伝されたテクノロジーは、ほかにもたくさんある。壮大な失敗に終わったそれらの製品をいくつか見ていこう。

セグウェイ

figure_1

 失礼、先ほどは言い過ぎたかもしれない。確かに、筆者はセグウェイが好きだし、ショッピングモールや観光地では、今でもセグウェイで移動している人を大勢見かける。とはいえ、期待されすぎていたことに変わりはない。先述のDoerr氏の有名な予想に加えて、Steve Jobs氏も、セグウェイはパソコンの開発と同じくらい重要なものになるかもしれないと力説していた。2人とも間違っていたようだ。

 2001年に5000ドル(2020年の貨幣価値で7384.31ドル、約79万円)で発売されたセグウェイは、単純に高価すぎた。死亡事故も何件か起きているし、実際に歩道で見たことがある人よりも、映画「モール コップ」で見た印象が強いという人の方が多いのではないだろうか。

 とはいえ、セグウェイの技術は座って乗るタイプの新製品の中で生き続けている。従来のセグウェイが期待にこたえることはなかったが、その技術が世界を変える可能性はまだ残っている。

Amazonの「Fire Phone」

figure_2

 Amazonは1兆ドル規模の企業だ。新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、これまで以上に売り上げを伸ばしている。そんなAmazonの小売事業が失敗を犯すことなどあり得ないと思うだろう。だが、それは間違いだ。

 Amazonは2014年、同社初となる(そして結局、同社唯一となった)スマートフォン「Fire Phone」を発売した。最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は発表の際、「われわれの仕事は、作り方を心得ている最高のデバイスを開発することで、後はお客様が選ぶ。われわれのもう1つの仕事は、辛抱することだ」と述べていた。

 しかし、このスマートフォンはあらゆる人に嫌われた。199ドルのFire Phoneが発売されてから2カ月も経たないうちに、Amazonは価格をただ同然の99セントまで値下げ。次の四半期、予想をはるかに超える4億3700万ドルの純損失を計上した。そして、Bezos氏は諦めた。1年以上かかったが、AmazonはようやくFire Phoneの販売を終了した。

 しかし、なぜ、そこまで壮大に失敗したのだろうか。まず、価格設定も一因だったが、原因ははもっと根深い。当時としてはフラッグシップスマートフォン並みの価格だったにもかかわらず、コンポーネントは標準以下で、ソフトウェアも貧弱だったのだ。散々に言っているが、Amazonにそれほど同情する必要はない。Fire Phoneの発売から約4カ月後、Amazonは新しい種類のデバイスを発表している。それは、音声アシスタント「Alexa」を備えたスマートスピーカー「Echo」だ。皆さんもご存じだろう。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]