アップル、CESに27年ぶりに登壇へ--Appleニュース一気読み

 12月09日~12月15日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

 毎年1月、米国ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大の家電展示会「CES」に、Appleが登壇することが分かった。1992年以来の傘下となり、実に27年ぶりだ。

 おそらく製品の発表は行われない。Appleの製品発表サイクルは毎年、3月、6月、9月、10月とパターン化しているからだ。今回参加するのは、グローバルプライバシー担当シニアディレクターであるJane Horvath氏で、「Chief Privacy Officer Roundtable」(最高プライバシー責任者の座談会)に登壇するという。

 Appleは2019年1月のCESに合わせて、ラスベガスの街に広告を出した。「What happens on your iPhone, stays on your iPhone(あなたのiPhoneで起こることは、あなたのiPhoneにとどまる)」とのフレーズを載せ、iPhoneのプライバシーについてアピールした。

Appleが出したプライバシー保護で他社をけん制するような広告は話題になった
Appleが出したプライバシー保護で他社をけん制するような広告は話題になった

 今回CESに登壇するのもプライバシーに関連した役員となっており、やはり2020年のCESでもプライバシー絡みのアピールを行うことになると見られる。

 Appleはプライバシーそのものは競争差別化の要因にすべきではないとの考えだ。どんなメーカーであっても、等しく尊重すべきという。しかし例えばスマートフォンの場合、プライバシーへの配慮をOSだけでなくチップレベルから設計できるAppleに対して、Androidを採用するスマートフォンメーカーではそうはいかない。

 つまり、プライバシー配慮について「みんなにマネして欲しい」と言うが、そのトレンドに乗っかれば乗っかるほど、他のメーカーは実現不可能である、ということだ。もちろんそのことをAppleもよく理解しており、消費者の間でよりプライバシー懸念が高まり、より多くの人が気にかけるようになることを狙っているのである。

 確かに「Appleのマーケティング戦略」と言ってしまえばそれまでだが、これまでテクノロジー業界が「発展」を旗印に配慮に欠いてきた人々の持つべき権利について、立ち止まって再考を促している、と解釈することもできる。

 少なくとも、Appleの呼びかけに、Googleは応じつつある。もちろんGoogleは依然としてWeb広告から大きな収益を得ており、そのターゲティングは鋭さを増している。それでも、AppleとGoogleでモバイルOSを100%占めている現状を考えると、一定のインパクトを与え始めるのではないか。

アップル、1月のCESに登壇へ--1992年以来(12/10)

Tim Cook、慶應大学病院を視察

 12月8日から10日までの日程で日本を訪れていたAppleのCEO、ティム・クック氏。12月9日は慶應義塾大学病院の循環器内科を訪ね、医学博士の木村雄弘氏の取り組みについて説明を受けた。木村氏は2015年に発売された初代Apple Watch以来、Appleのスマートウォッチを活用した心臓疾患の治療に取り組んでいる。

 クック氏は「世界における先進的な事例だと思う。4年前からApple Watchを治療に取り入れていることが早いと感心している。本当の意味で感銘を受けた。また、シンプルでわかりやすく、詳細が見られること(心拍、血圧、症状など)についても関心した。さらにこの研究を大胆に広げようとしていると聞いて嬉しく思った」と述べた。

 これまでApple Watchによる心拍計によって、徐脈・頻脈の症状を通知で知り、不整脈を早期に発見して治療をはじめた事例が世界中から数多く報告されている。日本でもこの機能は利用できる。しかし現在販売されているApple Watchにはハードウェアとして対応していながら、日本では心電図(ECG)アプリを利用することができない。認可を得ていないからだ。

 木村氏は「合併症を起こしてしまう前に不整脈をどうやって見つけてあげられるか?」という課題の解決に期待を寄せている。クック氏も日本でのECGアプリ提供を実現させたいと考えているようだ。

ティム・クック氏が来日--Apple Watchの心臓疾患活用に「感銘受けた」(12/09)

Apple川崎オープン

 Appleは12月14日、神奈川県初となる直営店、「Apple 川崎」をオープンさせた。週末になると家族連れなどで混雑する大規模ショッピングモール、ラゾーナ川崎プラザの広場に面したスペースに出店された小型店舗だが、ボードルーム以外の全ての設備を備える新世代店舗となった。国内では10店舗目となる。

 Apple 川崎はモール出店の店舗としても初めて。規模感から考えると、このスタイルでの水平展開の可能性は大いにあるのではないだろうか。

 一方で、多くのモールには家電量販店が入っており、大手であれば「Apple Premium Reseller」としてAppleコーナーを設けている。ラゾーナ川崎プラザにもビックカメラが入っている。そのため、直営店と家電量販店との間でのビジネス上の競合関係などにも注目すべきだ。

アップル、国内10店舗目の「Apple 川崎」を12月14日にオープン--記念プレゼントは?(12/12) 写真で見る「Apple 川崎」--神奈川初の直営店、10店舗目の記念品はトートバッグ(12/13)

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