Counterpoint Technology Market Researchは、2018年の世界モバイル市場において、スマートフォンの出荷台数が前年比4%減となった一方、フィーチャーフォンは同7%増の4億8000万台だったとの調査結果(その1、その2)を発表した。そして、出荷されたフィーチャーフォン全体の約16%が、スマートフォンと携帯電話の中間的デバイスで4G対応の「スマートフィーチャーフォン」だという。
スマートフィーチャーフォンとは、小さな画面と操作用のボタンを備えるなど形状と操作方法は従来のフィーチャーフォンと似ているものの、4Gネットワークに対応し、SNS用など各種アプリのインストールが可能なデバイス。安価なこともあり、2018年の出荷台数は前年同期比252%増もの人気だった。
Counterpointは、スマートフィーチャーフォンの好調が続き、今後3年で3億7000万台が出荷されると予測。2021年には世界フィーチャーフォン市場の半分以上を占めるとした。「フィーチャーフォンのアクティブユーザーはまだ20億人おり、これがスマートフィーチャーフォンの入り込む空き市場になる」(同社)
スマートフィーチャーフォンへの移行でこれまでのフィーチャーフォン利用者が4Gネットワークや各種オンラインサービスを使うようになり、モバイルバリューチェーンのなかで新たな事業および収益機会を創出すると見込む。2021年のスマートフィーチャーフォン利用者は3億人を超え、2019年からの3年間で280億ドル(約3兆1237億円)の収益をもたらすとした。
スマートフィーチャーフォンの成長をけん引してきた技術として、CounterpointはKaiOS Technologiesの「KaiOS」を挙げた。KaiOSは、「Firefox OS」から派生したLinuxベースのモバイル機器向けOS。メモリーが少なく、タッチパネルを搭載していないデバイスでも動き、4G/LTEや無線LAN(Wi-Fi)、GPS、アプリインストールなどの機能も提供する。GoogleやFacebook、Twitterなどが、各種KaiOS版アプリを用意している。
なお、GoogleはKaiOS Technologieに2200万ドル(約24億5432万円)出資した。
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