新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本電気(NEC)、NTTデータ、日立製作所、NTTドコモ、楽天、KDDI、ゼンリン、日本気象協会は3月1日、同一空域で複数事業者のドローンが安全に飛行するための運航管理システムの実証試験を実施したと発表した。
実証試験では、福島県相馬市の福島ロボットテストフィールドで実施。施設とその周辺に、離着陸場を8か所設置し、災害調査、警備、物流、郵便の4つの利用シーンを想定してドローンを飛行させた。NTTドコモ、KDDI、楽天、日立製作所がそれぞれドローンを飛行させたほか、NEC、NTTデータ、日立製作所が運航管理統合機能を、ゼンリンと日本気象協会が情報提供機能を試験した。
まず、それぞれの事業者が申請した飛行計画から、ドローンの飛行経路や離着陸場の重複を事前に自動確認。気象や地理などの条件を踏まえつつ各事業者に変更を要請し、円滑な全体調整を実施した。また、全ドローンの位置情報をリアルタイムに一括で管理。ドローン衝突の危険性などを確認し、安全運航に関する情報をそれぞれの事業者に提供した。結果、安全を確保しつつ10機のドローンを15分程度飛行させることができたという。
将来ドローンの活用が一般的となり、高密度でドローンが飛び交う状況となった際、対策を講じない場合にはドローンが衝突する危険性がある。これを防ぐためには、全ての機体の飛行計画や飛行状況を把握し、ドローンの運航を統合管理する必要がある。また、ドローンの安全運航のためには、地形や建物の3次元地図情報や、気象情報などをドローン事業者に提供しなければならない。
NEDOでは今回の試験結果をふまえ、より安全かつ効率的な運航管理を実現するため、機能の拡張や高度化を進める。また、今回開発した運航管理システムの普及にむけ、システムのAPIを順次公開する。これにより、現在参画しているドローン事業者以外でも、運航管理統合機能と接続したドローン運航試験を、福島ロボットテストフィールド内で実施できるようになるという。
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