それでは、Spotifyや「Pandora」、サードパーティーのポッドキャストアプリ、そのほかのオーディオソースはどうなのだろうか。それらはすべてiPhoneや「iPad」「iPod Touch」「Apple TV」「Mac」を通してHomePodで再生することができるが、ユーザーはソースデバイスの画面上で「AirPlay」ボタンを手動でタップしなければならない(iTunesを実行する「Windows」PCも音源になり得る)。これは、多数の音楽サービスと連携可能なSonos OneやGoogle Home、Amazon Echoスピーカに比べると大きなマイナス要素だ。
さらに、HomePodは基本的なBluetoothスピーカとして機能するわけではないので、その点も注意する必要がある。つまり、Androidデバイスを持っている家族や来客が自分のデバイスからHomePodに音楽を出力することはできない。
言い換えると、iTunesで購入した音楽の膨大なデータベースを持っている人以外は、Apple Musicのサブスクリプションが必要になるだろう。
Apple Musicでは、ユーザーはHomePodに特定の楽曲や、特定のバンドまたはミュージシャンの曲を再生するよう命令できる。ユーザーの再生履歴に基づいて、Apple Musicが代わりに楽曲を選ぶこともできる。HomePodがまとめたプレイリストを聴きたい場合は、Siriに対して、「ブルーグラス」や「心を落ち着かせる音楽」といった特定のジャンルやカテゴリを再生するよう命令するといい。
先述したPersonal Requests機能を有効にすると、誰でもHomePodに対して、リマインダーやアラーム、タイマーの設定、同じWi-Fiネットワークに接続されたiOSデバイスからのメッセージの送信や読み上げを命令できる。HomePodは「iMessage」だけでなく、「WhatsApp」のようなサードパーティーのメッセージサービスとも連携する。
これは重要なことだが、HomePodが声を聞き分けるように設定することはできない。スマートフォン上の「Hey Siri」と異なり、HomePodはあらゆる人の声に反応する。それは、家族全員で使う場合は便利だが、何かを購入する際に、承認のために特定の人の声を認識する、ということができないため、複数のユーザーで使う場合のカスタマイズ性が犠牲になる。とはいえ、「Alexa」や「Googleアシスタント」も完璧ではない。米CNET記者が同僚の話し方をまねて、これら2つの音声アシスタントを欺こうとしたときの記録をご覧いただきたい。
HomePodをスピーカフォンとして使うことは可能だ。スマートフォンで電話中にオーディオボタンを押して、「HomePod」を選択するだけでいい。スピーカから直接電話を受けたり、かけたりすることはできないものの、この機能はとても手軽だ。また意外にも、既存のカレンダーの予定を読み上げたり、新しい予定を作成したりすることはまだできない。
HomePodはBluetoothおよびWi-Fi上で動作するため、こうしたシンプルな設定プロセスが可能になっている。AppleはユーザーのiCloudの詳細情報、Wi-Fiログイン情報、ユーザーの所有する既存のHomeKit対応スマートホーム製品の詳細、そのほかHomePodの設定(とその後の動作)に必要な関連情報を取得することが可能だ。
HomePodをセットアップするのにアプリは不要だが、同スピーカはiOS向けホームアプリ内に表示される。ユーザーがこれらの手順に従ってスピーカの設定を完了すると、即座にHomePodがHomeKitデバイスのリストにアクセサリとして表示される(スクリーンショットを参照してほしい)。
自宅に複数のHomePodがある場合、1台のHomePodに「Dining Room」などの専用の配置場所の名前を付けておけば、ホームアプリと、マルチルームオーディオ再生機能にまもなく対応する予定の「AirPlay 2」の両方で、各スピーカを区別しやすくなるだろう。
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