HomePodをセットアップすると、HomeKitに対応するすべてのデバイスをHomePodに接続することが可能になる。そうすれば、「Hey Siri、シェードを上げて」と言えば、HomeKit対応のLutron製シェードが反応するようになる。HomeKit対応デバイスは、これまで同様、ホームアプリからでも操作できる。例外として、セキュリティデバイスはHomePodで操作できないようだ。筆者がHomePodでドアのロックを解除するよう命じたところ、Siriは「セキュリティデバイスの操作はできません」と答えた。ロックがかかっているか解除されているかについては、答えを返すことができた。
HomePodでも、事情に大きな違いはない。サードパーティー製品との連携に関しては、AppleはここでもAmazonやGoogleに後れを取っている。だが、HomeKitはホームアプリを通じて、iOS上のネイティブ機能として利用できるため、競合のスピーカに比べると操作がシームレスだ。HomePodではHomeKitのために「スキル」や「アクション」を有効化する必要はない。HomeKitの既存設定はすべて自動的に転送され、新しいスマートデバイスは設定コードをスキャンするだけで認識される。
注:HomePodはApple TVと同様、スマートホームのハブとして機能する。ハブに設定しておくと、HomeKitアクセサリをiOSデバイスで遠隔操作できる。
iOSデバイスと同様に、HomePodでもSiriに天気予報や経路案内、レストラン情報などを尋ねることができる。機械学習が進歩したおかげで、Siriはこれまで以上に会話がうまくなった。ボブ・ディランとは誰かという質問のあとに、「ボブ・ディランの」と言わずに「彼の年齢は?」とだけ続けて聞いてみた。Siriは「彼」がボブ・ディランだと理解していた。
HomePodは音楽トリビアも知っているので、Siriに今再生している曲のリードシンガーやドラマー、ギタリストについて尋ねることができる。必ずしも答えが得られるわけではないが、素敵な機能だ。
全体的に、SiriはGoogleアシスタントとほぼ同じくらい、ランダムな質問に対してうまく答えることができた。Alexaは連続した質問を理解できなかったり回答できなかったりすることが多く、それよりはSiriの方が若干優れている。
HomePodはHomeKit対応端末なので、ホームアプリでアクセスを共有しているユーザーであれば、誰でもHomePodを設定することができる。HomePodは複数のユーザーの声を識別しないため、当然ながら、家にいる誰もが音声コマンドで音楽の再生などを命じることができる。アプリ内機能の操作については、ホームアプリへのアクセスを認められたユーザーに限定される。
声の識別をHomePodに学習させる機能はないため、誰が「Hey Siri」と話しかけても起動する。そのため、セットアップや使用は非常に簡単で、多目的のスマートホームスピーカとしては優れている。一方、話しかける人の声を聞き分けるスピーカにあるような細やかな機能は無い。
筆者もそうだが、自分の声で「Hey Siri」を認識するようにiPhoneを設定してある場合は、HomePodに話しかけたときに、実際には必要のないiPhoneのSiriも起動する可能性が高い。筆者の場合は同時に起動することが多かったが、常にでは無かった。iPhoneのスクリーンを伏せておけばHomePodだけが反応するが、このためにiPhoneを裏返さなければいけないのはどうかと思う。
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