Datorama Japan(デートラマジャパン)は10月25日、同社が提供するマーケティング・インテリジェンス「Datorama」に、エム・データの「TVメタデータ」と「TV Data Connect」経由での連携を開始した。マーケティング活動の可視化、分析を一気通貫で行えるようになるという。
Datoramaは、数多くのデータソースを唯一のデータソースとして統合し、より効果的なレポート作成をはじめ、マーケティング活動全体の統合的管理を可能とするBIツール。またTVメタデータは、テレビ番組やテレビCMを365日、24時間モニタリングし、「いつ」「どの局の番組やCMで」「何が(誰が)」「何を」「どのように」「何秒間(何回)」放送されたのかを記録。自社や競合社のブランド・商品・サービス・人物・事象など、番組やCMの放送内容を把握できるデータベースとなっている。
この連携によって、TVメタデータとともに、視聴データ、デジタル広告、ソーシャルの口コミ情報やシェア率などの反響、売上やCRMデータなどのデータをDatorama上で全て統合ができ、さまざまな指標を横断的に可視化。分析をしやすくする上、日次でテレビCMなどの効果を測定し、適宜対策の検討やオンライン施策での補完を実行するなどリアルタイム性のあるマーケティング活動が行えるという。
今後はエム・データ内のビッグデータ解析プロジェクト「データライフログ総合研究所」のビッグデータ分析サービス「TV Rank」とも連携し、TVメタデータによる認知から、ウェブ検索データでの関心度、SNSデータによる好感・意向度、POSデータによる購入までをマーケティングファネルで分析。視聴者の態度変容やインサイトを行い、競合ブランドとのポジショニング、時系列トレンド、施策のパフォーマンス、ROIなどDatorama上で指標化・可視化するダッシュボード展開を計画しているという。
また、DatoramaのAI「Datorama Genius」(デートラマ・ジーニアス)との連携も視野に、「TV Meta Data + Datorama + AI」として、新たなマーケティングデータ統合・分析ソリューションを構想しているとう。
発表にあわせてプレスカンファレンスを実施。Datoramaはもともとイスラエルのスタートアップとして立ち上がり、現在は米国を拠点に世界各国でビジネスを展開している。Datorama 共同創業者兼CEOであるラン・サリグ氏は「アドテクノロジやマーケティングテクノロジ、人工知能(AI)に関するスタートアップが次々に誕生している場所。優れた技術者が豊富で、有能な人材を採用するのにイスラエルは適している」と説明。Datoramaのテクノロジもイスラエルで開発しているという。
マーケティング活動においては、さまざまなブランド、キャンペーン、顧客にまたがるデータを活用することが不可欠であり、継続的な施策改善が必要となるものの、タッチポイントやデータポイントが数多くあり、情報も散在している。さらにそれらをまとめていく複雑性は年々増しているという。Datoramaでは現在5000以上あるとされるマーケティング関連のデータについて、AIを活用し統合する役割を提供していると説明する。
サリグ氏は日本市場について、世界から見ても急成長を遂げている市場であることから、日本市場向けAPI開発なども優先的に取り組み、Datorama全体としてコミットしていく方針であるとも語る。レポート作成作業の削減やPDCAの迅速化、広告投資の透明性の確保を通じて日本のマーケターの課題解決をサポートしていくとした。
エム・データ データライフログ総合研究所の所長を務める梅田仁氏は、日本におけるテレビメディアは非常に強い影響力があり、マーケティング活動や投資に対する効果測定などにおいて、日本ではテレビのデータも不可欠なものと説明。Datorama側でさまざまなマーケティングデータとともに、TVメタデータが持つテレビ全量のデータを引き出すことができるうえ、AIが入ることによって、人間の仮説を超えた発見を見いだせる可能性もあり、企業のマーケティング活動を超えた何かが生み出せるほど、大きなポテンシャルを持つ出来事と語った。
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