不動産投資とクラウドファンディングの相乗効果--ロードスターキャピタルの強み - (page 3)

マザーズ上場がもたらすもの


「クラウドファンディングがあるからこそ、コーポレートファンディング事業も大きく成長する」

――次にマザーズ上場について聞かせてください。機関投資家への説明会であるロードショーでの反応は。

 37社回りましたが、反応はいろいろでした。これまでにクラウドファンディング事業で上場した会社がないので評価しづらいと感じられた方がいた一方で、クラウドファンディング事業を手掛けていることでポテンシャルを感じる、とおっしゃった方もいらっしゃいました。そういった方々からは、なぜこの時期に上場するのか聞かれましたね。あと1~2年クラウドファンディング事業でのトラフィックを積んだ方がさらに良い状態で上場できるのにもったいない、と。

 ロードスターキャピタルの使命はクラウドファンディングのマーケットを広げることだと思っています。そのためには上場した方が良い、というのがスタートなので、できるだけ早く上場したかった。上場によって個人の信任が得られ、マーケットの拡大スピードが早くなるのだったら、行ける時に行くべきと判断し、この時期に上場しました。

――上場の準備期間はどれくらいだったんですか。

 2015年の初めから準備を始めました。2014年9月にクラウドファンディング事業を開始しましたが、個人投資家の方の立場になって考えると、立ち上げて間もない会社にお金を託すのは不健全だと感じました。その部分を解消するためにも遅かれ早かれ上場は目指していかなければいけないと思っていました。

 クラウドファンディングは信頼がすべてだと思うので、その信頼を得るためにも上場は1つの手段だと思います。

――不動産テック領域で変えていきたい、作っていきたいと感じる部分はありますか。

 クラウドファンディング事業でいえば、個人の方にももっとわかりやすい制度で運用していけるようになればと思います。例えば日本の投資型クラウドファンディング事業では 「匿名組合出資」と呼ばれる出資形態を多用します。不動産分野でも機関投資家が広く用いる契約形態の一つですが、一般の方には馴染みのない契約です。この部分がコインか何か、より簡便なものになるといいなと思います。不動産が純粋に小口化されて、その小口化の持ち分が何の支障もなく流通していけるようになって流動性が高まれば理想的ですね。

――今後の目標について教えてください。

 今は貸付型(不動産を担保としたメザニンローン部分への貸付)のみですが、今後はエクイティ型(不動産の自己資本部分への投資)の商品も提供できるように調整を進めています。これが整うと、新しいマーケットができますし、クラウドファンディングの良さがもっと出てくるのではないかと思っています。

インタビュアー

赤木正幸

リマールエステート 代表取締役社長CEO

森ビルJリートの投資開発部長として不動産売買とIR業務を統括するとともに、地方拠点JリートのIPOに参画。再生エネ業界においては、太陽光パネルメーカーCFOや三菱商事合弁の太陽光発電運用会社の代表取締役社長CEOを歴任。政治学修士、経営学修士、コロンビア大学とニューヨーク大学にて客員研究員。

   

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