ロードスターキャピタルは9月7日、東京証券取引所マザーズ市場への新規上場を前に会社説明会を開催した。コーポレートファンディング、クラウドファンディング事業の現状や今後の展望などについて話した。
マザーズへの新規上場は8月25日に発表したもの。上場は9月28日を予定しており、証券コードは3482。想定発行価格は1820円になる。不動産特化型のクラウドファンディングとしては初の上場企業になるという。
ロードスターキャピタルは、2012年に設立。物件への投資と資産管理運用をするコーポレートファンディング事業と不動産投資に特化した「OwnersBook(オーナーズブック)」を運営するクラウドファンディング事業を軸に、仲介・コンサルティング、アセットマネジメント事業などを展開している。
コーポレートファンディング事業では、東京23区内の中規模オフィスや複合ビル、マンションなどを購入。管理運営するほか、リノベーションを施すなど、付加価値を高めることで、一部の案件は売却し、売却益、譲渡益を確保している。
代表取締役社長の岩野達志氏は「大規模オフィスは大手不動産や海外の富裕層などが所有し、競争が激しいため、中規模オフィスをターゲットにしている。適正価格よりも割安になっているものを探し出し、リノベーションなど、管理運営することで収益をあげる」と事業内容を話す。2013年5月に取得したオフィスビルは、購入後にリニューアル、テナントの誘致などを進め、購入時の約2.5倍の価格で売却した実績があるという。
一方、「フォーカスしている」(岩野氏)と話すのは、クラウドファンディング事業だ。OwnersBookは、独自のプラットフォームとして運営し、案件探しからシステムの構築まですべてを社内で内製。サービスはオンラインで完結しているほか、一口1万円からの小口投資ができるなど、使いやすさもポイントだ。
オフィスビルなど、今までは個人投資家が投資できなかった領域の案件を扱うことが特徴。現在、案件の募集を開始すると、長くても30分以内に募集が完了してしまうとのこと。投資可能な会員数は約5200人を数える。
岩野氏は「不動産とITのプロフェッショナルが両方いる。宅地建物取引主任者14名をはじめ、有資格者も社内に多い」とロードスターキャピタルの強みを話す。
今後、見据えるのはエクイティ(投資)型のクラウドファンディングだ。「コーポレートファンディング事業とクラウドファンディング事業の2つの柱は変わらない。今進めているのがエクイティ型のクラウドファンディング。こちらは間もなく開始できる」と岩野氏は現状を説明した。
上場の目的について岩野氏は「クラウドファンディングの営業者として、しっかりとした収益基盤を持ち、個人投資家に安定した投資をしてもらうこと」と話す。今後については「クラウドファンディングのマーケットは加速度的に大きくなると考えている」とし、クラウドファンディング事業へ注力していくことを強調した。
ロードスターキャピタルの2017年12月期の業績予想は、売上高が66億3400万円、営業利益が12億8800万円、経常利益が11億2200万円。売上高はここ3年で年間150%の成長を達成している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス