つい最近まで、Facebookの社是は、世界をよりオープンでつながった姿にするというものだった。それがヘイトの温床にもなるというのは、おそらく同社も予期していなかったことだろう。
このインターネット巨大企業が今まさに取り組んでいるのが、この問題だ。発端となったのはProPublicaが米国時間9月14日に掲載した記事で、「ユダヤ人嫌い」と判断される人々に向けて、Facebookでターゲット広告の出稿が可能であることが判明したと報じたことだった。この記事は大きな騒動に発展し、オンライン広告やテクノロジ企業の責任に関する議論が巻き起こった。
米国時間9月20日、Facebookの最高執行責任者(COO)、Sheryl Sandberg氏は、同社がこうした批判への対応として、ヘイトに満ちた広告の取り締まりを進めるとともに、自動化されたプロセスへの監視を強化することを明らかにした。これは意義のある対応と言える。多くの人が推測し、またSandberg氏が示唆しているように、自動化されたプロセスによって、たとえば「母親」「サンフランシスコに住む人々」「野鳥観察が好きな人」といったターゲットグループを作成可能なら、同様に「ユダヤ人嫌い」というカテゴリを作り、出稿者がそのグループに向けたターゲット広告を出すことも可能になるからだ。
Sandberg氏は次のように述べた。「この機能がそうした形で利用されることを、意図したことはないし、予想してもいなかった。その責任はわれわれにある。そして、それを自ら発見できなかった責任もまた、われわれにある」
最後にSandberg氏は、Facebookが同社の広告システムの悪用について、利用者からの報告を奨励するつもりだと語った。
また同氏は、Facebookにヘイトの居場所はないという、従来からの主張を繰り返した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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