さて、実機を使い始めて真っ先に感じるのは、背面が防指紋コーティングされたガラスに変更されたことによる触感、質感の違い。そして機能面で真っ先に気付くのは、カメラ性能・画質の大幅な向上だ。
アップルはiPhone 8シリーズのカメラについて「より大きく高速なセンサを用い、動画手振れ補正の改善とハイスピード動画撮影のフレームレートを向上させている」とアナウンスしている。画素数や画角に変更はない。
またセンサのカラーフィルタを見直し、A/D変換時の色深度も従来より深く取ったとのことで、今回からアップル独自設計となったISP(イメージシグナルプロセッサ)との組み合わせで、より鮮やかな色を広いダイナミックレンジを実現。S/N比(信号/Signalと雑音/Noiseの比率)も向上しているという。
実際、画質の向上はかなり大きい。より深みのある豊かな色彩で映像を捉えるだけでなく、S/N比が向上し、シャープさも増している。情報量、立体感の向上などを感じられるが、まずは作例をご覧戴きたい。暗所でもしっかりと明るく写るのだが、その際の暗部ディテールや色濃度も十分に出ている。
今回、極めて短期間での評価であった上、台風の影響で作例を撮るチャンスは限られていたが、そんな中でも十分に違いを実感できるだけの差は出ている。
カメラについては「良くなった」と言葉では聞かされていたものの、基本的な画質部分がここまで改善されているとは想像しておらず、正直かなり驚かされた。カメラ画質にこだわる方ならば、この画質差分だけでも買い換えの意義があると思う。
また、このところiPhoneのカメラ画質はAI的に映像内容を分析し、最適になるよう映像処理を行っているようだが、今回そうした面でも大幅に進化していると思えるシーンが何度もあった。とりわけHDR処理に関しては素晴らしく、輝度差の大きいシーンで明部・暗部の描写力がそれぞれ大きく向上した。
なお、イメージセンサの読み出し速度が向上したことでスロー撮影は毎秒240フレーム(従来は120フレーム)に対応した。この高速読みだしはローリングシャッター歪み低減にも生きており、高速で動く被写体を撮影した場合の歪みが軽減されている。
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