Appleは9月12日に発表したiPhone 8、iPhone 8 Plusを、9月22日に発売する。これに先駆けて、先行レビューをお届けする。
この2台のスマートフォンは、iPhone 6以来のディスプレイサイズである4.7インチ、5.5インチを踏襲しながら、デザインを刷新した最新モデルだ。スマートフォンに重要な要素を深く理解し、進化を集中させたAppleのiPhone 10周年を記念するモデルといえる。
iPhone 6からの3年間、Appleは4.7インチ、5.5インチの2つのハイエンドスマートフォンをリリースしてきた。アルミニウムのユニボディとRetina HDディスプレイという構成は、iPhone 7で防水機能を獲得し、スマートフォンとしての完成度を高めてきた。
しかしデザインの変更がなかったことから、新しい、代わり映えのするスマートフォンを求める人々にとっては、物足りないアップデートが続いてきた。
Appleは未来のiPhoneの姿を想起させる「iPhone X」を、9月12日のイベントで披露している。ホームボタンがない全面が有機ELディスプレイで覆われたスマートフォンに注目する人も多いが、デザイン、処理性能、カメラなど多くの部分で、iPhone XとiPhone 8シリーズは共通している。
iPhone 8とiPhone 8 Plusは、アルミニウムのボディに変わり、前面・背面ともにガラスのボディへと進化した。フレームは7000シリーズのアルミニウムが用いられ、ボディカラーに合わせてカラーリングされる。背面のガラスには、ボディカラーに合わせた淡い塗装が施される。特に今回追加された新色となるゴールドは、以前のゴールドとローズゴールドの中間のような、金にも淡いピンクにも見える絶妙なトーンだ。
表面は光沢がありながら、シルバーでは陶器のように白く、スペースグレーはまるで金属のような存在感を見せる。塗装も7層に重ねる技術にこだわりがみられる。ガラスの手触りはすべすべと心地よく、iPhone 4S以来の懐かしさもある。コーティングは、簡単に汚れを拭き取れるように配慮しているという。
iPhone 8のサイズは、138.4mm×67.3mm、厚さは7.3mm、重さは148g。iPhone 7と比較すると、長さ0.1mm、幅0.2mm、厚さ0.2mm大きくなっており、重さは10g増した。
iPhone 8 Plusのサイズは、158.4mm×78.1mm、厚さは7.5mmで、重さは202g。200gを突破している。iPhone 7 Plusと比較すると、それぞれ0.2mmずつの増加で、重量は14g増加した。
サイズとしてはわずかに大きくなり、重さは10〜14g重くなった。ワイヤレス充電に対応するためのパーツの追加や、ガラスを採用したことが、重量増加の主な原因になっている。
ちなみに、サイズの変化がわずかであること、形状が変わらないことから、iPhone 8、iPhone 8 Plus向けに発売されるケースはそれぞれ、iPhone 7、iPhone 7 Plusへの対応も明記されている。
素材の変更、重さの増加は、ワイヤレス充電への対応が主な理由とされる。特にApple純正、あるいは認証されたアクセサリでなくても、標準規格であるQiに対応したワイヤレス充電気であれば、iPhoneを充電できる。その際、新しく用意された純正ケースであれば、レザーケース、シリコンケースともに、ケースを付けたままの充電にも対応する。
AppleはiPhone 8、iPhone 8 Plusで引き続きRetina HDディスプレイを採用する。P3の高色域に対応した発色の良い液晶ディスプレイが用いられている。
今回新たに追加された要素としては、iPad Proで採用されている、環境光に応じてホワイトバランスを調整するTrue Toneディスプレイに対応したことだ。
蛍光灯の下ではくっきりとした白に、また間接照明の下では少しオレンジ色っぽい色に調整され、紙を見ているような自然さを体験することができる。
これに加え、iOSにはNight Shiftという、夜の時間帯にブルーライトをカットする仕組みも備わっている。そのため、環境光や時間帯によって、iPhoneのディスプレイのホワイトバランスは、目に優しく調整される仕組みを備えた。
もちろん、True ToneもNight Shiftも、ディスプレイの設定でOFFにすることができる。常に同じホワイトバランスの表示を行いたい、と言うニーズにもきちんと対応してくれる。
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