エン・ジャパンは、「テレワーク」実態調査の結果を公表した。労働者向け(7月19日発表)では求人・転職支援サービス「エン転職」を通じて9586名から、企業向け(7月14日発表)では人事担当者向け中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」を通じて642社から回答を得た。なお企業向けのテレワークは「IT等の活用で時間・場所の制約を受けない勤務形態」と定義したものとしている。
労働者向けの調査において、まず「テレワークという働き方を知っているか」と質問では、41%が「知っている」と回答。もっとも「これまで働いたことのある会社にテレワーク制度があるか」という質問で「ある」と答えたのは6%にとどまったという。
実際にテレワークで働いたことがあると回答したのは5%。働き方は、「自宅にいて、会社と連絡を取り合いながら働く」という在宅勤務型が66%と最も多く、「クライアント先や移動中などに、会社のスマートフォンやパソコンなどを使って働く」が47%となっている。テレワークで働いていた方が、テレワークを利用した日数は「週に1~2日」が50%で最多、「週に5日以上」という方も27%にのぼったという。
テレワーク経験者がテレワークという働き方を選んだ理由は、「外出が多く、仕事の効率化のため」が46%でもっとも多く、「業務に集中することが出来て生産性が上がるため」も29%いたという。そして、テレワーク経験者に引き続きテレワークで働きたいと思うか質問すると、「働きたい」と回答したのは67%、「働きたくない」は13%にとどまった。働きたいと回答した人は、通勤時間分を有効に活用できる、子育てや介護との両立がしやすくなったという声があり、一方で働きたくないと回答した人はオンとオフのメリハリがつかないという回答が多く見られたとしている。
なお、テレワークで働いたことがない方に「もしテレワークという働き方を選べるとしたら働いてみたいか」という質問に、「働いてみたい」が53%、「働きたくない」が15%、「分からない」が32%という結果に。働きたいと回答した理由でもっとも多かったのは「通勤時間を短くしてプライベートを確保するため」(73%)、働きたくないと回答した理由でもっとも多かったのは「仕事とプライベートをハッキリ分けたいため」(56%)となった。
企業人事担当者に向けの調査において、7月24日の「第1回テレワーク・デイ」を間近に控え、「総務省から発表された、官民が一斉にテレワークを実施するプロジェクト ”テレワーク・デイ ” を知っているか」という質問で、「知っている(内容も含めて知っている、名称だけ知っている)」が40%、「知らない」が60%という結果に。「内容も含めて知っている」と回答したのは12%にとどまった。
回答があった会社において、テレワークを導入しているのは9%。導入目的の理由として「業務効率(生産性)の向上」(64%)が最も多く、「多様性のある働き方の実現」(44%)、「通勤困難社員への対応」(35%)が挙げられた。導入している企業に「導入して良かったこと」を質問すると、第1位は「業務効率(生産性)の向上に繋がった」が44%。ほかにも「通勤困難社員が継続して働くことが可能になった」「多様性のある働き方を選ぶ社員が増えた」が25%ずつとなった。
また「テレワーク導入の上で、難しいと思ったポイント」については、「テレワーク社員の時間管理」を挙げる企業が45%と最も多く、「テレワーク時の業務ルールの設定(始業・終業の連絡・会議出席など)」や「テレワーク社員とのコミュニケーションロス」も挙げられていた。
一方、テレワークを実施していない企業の理由について最も多かったのは、「テレワークに適した業務がない」(45%)。「導入したいが、自社の業務では実現が難しい」、「中小企業にテレワークは不向き」という声が散見されたという。
今後のテレワークに対する方針として、導入企業は8割が「今後も積極的に推進する」と回答し、「止めようか検討中」は5%にとどまっている。未導入企業は54%が「今後も導入予定はない」と回答し、「これから導入を検討する」は19%。検討のなかで「セキュリティ対策、勤怠管理、人事評価」の整備に不安を感じている声が多く見られたとしている。
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