総務省が取り組む「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」のモデル地域として参加する全国15地域の担当者が、ウェブ会議システムを通じて一堂に会する「ふるさとテレワーク全国PR会議」が12月17日に開催された。会議には高市早苗総務大臣も参加し、各自治体からの報告と質疑が行われた。
ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業は、総務省の「地方のポテンシャルを引き出すテレワークやWi-Fi等の活用に関する研究会」で検討し、2014年度の中間とりまとめで提言されたもの。これを受け、総務省は実証モデルとなる委託先を2015年3月末から5月中旬にかけて公募。37件の提案の中から15件の委託先が7月に決定された後、実証が行われている。
今回は各地の途中経過を報告し合うというもので、15の委託先がウェブ会議システムを通じてそれぞれの地域から参加し、情報発信と意見交換を行うといった試みだ。高市早苗総務大臣は、東京・八重洲の「移住・交流情報ガーデン」に設置されたサテライト拠点で、本実証事業を取りまとめを務めるテレワークコンサルティング会社・テレワークマネジメント代表取締役の田澤由利氏をはじめ、総務省の関係者とともに参加した。
総務省が推進する「ふるさとテレワーク」は、近い将来に我が国が抱える労働力不足の問題に対して、ウェブ会議システムやクラウドソーシングなど最新のICTを利活用することにより、地方にいながらも都心部と同じような働き方を可能にする環境を整えることを目指すもの。
地方での在宅勤務は敷居が高いという企業のために、"サテライトオフィス"や"テレワークセンター"と呼ぶテレワークの拠点となる共用施設を各地に設け、導入の後押しをしているのも特徴だ。今回参加した15のモデル事業実施地域も、地域の既存施設や廃校となった小学校、空き店舗や古民家などを有効活用し、共働スペースとしてだけでなく、人材育成や業務の受託窓口となったり、ふるさとテレワーク推進のためのさまざまなバックアップを担ったりしている。
参加したモデル事業の1例には、和歌山県白浜町の「白浜町におけるパブリッククラウドサービスを利活用した先進的テレワーク推進及び生活直結サービス構築・検証事業」が挙げられる。和歌山県や白浜町の他、NECソリューションイノベータなど民間企業8社が提案したモデルだ。実証期間中、セールスフォース・ドットコムなど5社から計18人が段階的に同町内に移住、もしくは長期派遣され、町内に設けられたサテライトオフィス"Salesforce Village in Shirahama"において、テレワークを通じて就業を継続している。
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