Facebook(VRの先駆けであるOculus VRの親会社)は、「拡張現実」の方が好みらしい。Appleはどうだろうか。分かっているのは、最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏はVRをクールだと考えているが、VRよりもARに関心があるということだけだ。
もしかすると、「拡張現実」を分離してもっと具体的に定義する必要があるかもしれない。Quoraのこのスレッドによると、程度の差しかなさそうだ。拡張現実とは「目の前の世界を何らかのデジタルオブジェクトで補足する」ものであり、複合現実は「デジタルオブジェクトを目の前の世界にシームレスに統合し、あたかも実際に存在するように見せる」、よりリアルなサブセットだという。
つまり、拡張現実とは仮想のラベルや道案内を現実の視野に投影するものであり、複合現実とは3Dの恐竜やポケモンが現実世界を闊歩しているように見せるものだと筆者は解釈した。だが、定義はますます曖昧になっていく。「実際に存在する」とはどういうことで、シームレスとは何を指すのか。また、拡張現実でどれほどの情報量が、スクリーンやヘッドセットでないものにまで入り込んでいくのか。例えば、腕時計でかすかに感じる振動や、ヘッドセットで流れる音声はどうなのだろうか。
MicrosoftとGoogleは、似たような道を目指している。結局は、どちらも明らかに同じことを語っているが、ブランディングが異なるということだろう。だが、この手の争いで真の勝者となるのは、大多数の人が呼ぶようになる方だと相場は決まっている。Google Trendsを見ると、「拡張現実」がSEO競争で今なお圧倒的優位にある。
VRが皆さんの考えるとおりのものであることは間違いない。もう一方については、呼び名がARだろうと、複合現実やそれ以外の名前だろうと、すでに意味論的な縄張り争いという様相を呈している。そこでは、テクノロジ業界の大手各社が、拡大と変化を続ける世界で少しでも大きいシェアを確保しようと競い続けていくことになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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