Googleは、開発者会議「Google I/O」の初日に、スタンドアロン型の仮想現実(VR)ヘッドセットという新たなカテゴリを発表したが、続く2日目には、「Daydream VR」プラットフォームのソフトウェアアップデートと、一連の拡張現実(VR)開発ツールを発表した。
新しい開発ツールの1つとして、ARブラウザのオプションを備える「Chromium」の実験版ビルドをGitHubで公開した。
Daydream用アプリおよび開発者ツール担当チームを率いるAndrey Doronichev氏は、「ウェブVRとウェブARの機能を全ブラウザの標準装備にするのが目標だ」と述べた。
Doronichev氏は、Daydreamユーザーが、コーヒーテーブルを買うためにWayfairのような家具メーカーのウェブサイトを訪れ、目の前にある物理的空間を指定して、その空間に合うコーヒーテーブルを選んで表示する仕組みのデモを行った。完全版のアプリは必要ない。
完全版の「Chrome VR」ブラウザが今夏リリース予定で、ユーザーはDaydream用コントローラを利用してページを移動したりリンクをたどったりできるようになる。映画館のような環境で動画を視聴することも可能になる。
その他、VR開発者がVRコンテンツに加えた変更をその場で評価できるインスタントプレビューなどの新ツールもある。新ツールは、「Unity」「Unreal」両エンジン向けに米国時間5月18日にリリースされる。
Googleは、開発者がモバイルVRで高忠実度のシーンをリアルタイムで撮影して再生するツール「Seurat」も発表した。なお、Seuratは、印象派画家ジョルジュ=ピエール・スーラ(Georges-Pierre Seurat)にちなんで命名された。Seuratを利用すれば、開発者は、モバイル用GPUでデスクトップレベル以上のグラフィックを実現できる。没入感のある体験を作り出すLucasfilmの1部門であるILMxLABは、このツールを利用して、モバイルVRヘッドセットで映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の世界を再現した。Doronichev氏によると、Seuratを使って処理した後、高忠実度シーンのレンダリングにかかる時間は、モバイル用GPUで1フレームあたり13ミリ秒だという。
さらに、Googleは新しいDaydreamハードウェアでデバイスメーカー各社と協力する中で、Daydreamプラットフォームのアップデート「Euphrates」も提供する。
Euphratesはソフトウェアのサポートに重点を置いており、コンテンツを中心にするほか、ユーザーが簡単にコンテンツを共有できるようにする。
Euphratesは、VRへの対応をさらに深化させた「Android O」を活用し、DaydreamユーザーがVR体験の中で「Android」の機能にアクセスできるダッシュボードを作成する。
Daydreamでは、「Google Cast」もサポートされる。この機能により、ユーザーはダッシュボードを呼び出してCastの送信先を選択できる。この機能を呼び出すと、Castは画面上にとどまる。体験におけるお気に入りの瞬間を共有しやすいように、ユーザーはスクリーンショットやショートビデオをキャプチャして共有できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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