デロイトトーマツコンサルティングは4月4日、Global Powers of Retailingを日本語訳したレポート「世界の小売業ランキング2017」を発表した。全世界の小売企業から2015年度の売上高上位250社をランキングにまとめ、地域、セクタ、チャネルごとに分析している。
250社のランキングのうちトップ3は、Wal-Mart Stores、Costco Wholesale、The Krogerの米国企業が占めたほか、アマゾンが調査開始以来、初のトップ10入りを果たしている。なお、日本企業でトップ250入りした企業は30社と前回調査より2社増加。トップ100には、14位のイオンをはじめセブン&アイホールディングス、ファーストリテイリング、ヤマダ電機、三越伊勢丹ホールディングスの5社がランクインしている。
レポートでは、2017年の小売業のトレンドとして、「質の良いモノを少しだけ」「フォローによる経済」という嗜好の変化など5つのポイントを挙げている。厳選されたモノによる購買体験重視の消費が、大量生産品の3倍のペースで成長しているほか、著名人やブランドをSNSでフォローするとともに、消費者自身もフォロワーの増加に関心を持っており、SNSでアピールできるパーソナルブランドを反映させるような体験や商品を求めているという。
また、メイカームーブメントやシェアリングエコノミーなどの台頭に伴い、新興国経済では新たな小売モデルが生まれ、先進国でも業界の境目が曖昧になってきている。同社では、現代の消費者と小売企業の関係性は、消費者のオンデマンド志向への対応力で決まると指摘している。オンデマンド・ショッピングにおけるフルフィルメントも広がり、衣料品や家電などを提供する企業から、食料品、自動車、サービスを扱う企業にまで影響が拡大しているという。
そのほか、AIやロボティクス、センサ、仮想現実などの先進技術が生活やショッピングのあり方を変えつつあり、革新的な小売企業は、すでにこうしたテクノロジを利用して消費者との交流を深め、事業モデルを変えていると同社は指摘する。
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