2月21日、22日に開催されたイベント「CNET Japan Live 2017 ビジネスに必須となるA.Iの可能性」では、企業における先進的な人工知能(AI)活用事例を紹介し、今後のビジネスでAIが必要不可欠になるかを解説する多彩な講演が催された。
今回は、講演「人工知能(AI)で不動産仲介のスタイルが変わる~不動産仲介におけるAI活用の可能性~」の内容を紹介する。
ここでは、AIによるビッグデータ活用プラットフォームを提供するトレジャーデータでマーケティング担当ディレクターを務める堀内健后氏が、まず技術面などの概要を説明。これを引き取る形で、同プラットフォームを導入しているリブセンスの機械学習エンジニア村田健介氏と不動産ユニット ユニットリーダー芳賀一生氏が、実例を交えながらAI導入のメリットや、今後の展開を話した。
トレジャーデータは、企業に日々蓄積されるビッグデータを死蔵させず活用するための、データ管理プラットフォーム(DMP)製品を提供している。製品はあくまでもプラットフォームであり、分析結果を販売するわけではない。クラウド環境で使えるデータベース、機械学習エンジン、各種ライブラリを用意し、顧客企業が自ら運用してデジタルマーケティングにいかす、というビジネスモデルだ。
対象となる分野は、講演のテーマである不動産事業に限らず幅広い。CMO Awardを2015年に受賞したパルコ、2016年に受賞した資生堂ジャパンも、トレジャーデータのシステムを導入している。シリコンバレーで3人の日本人が立ち上げてから創業5年の節目だが、導入企業は世界250社以上、国内100以上におよび、現在の取り扱いデータ量は80兆件に達するという。
そんなトレジャーデータは、データベースによるデータ活用をさらに推進させるため、2016年に「LIVE DATA MANAGEMENT」という概念を提唱した。これは、部門間、企業間でサイロ化されたデータをつないで活用してマネタイズへとつなげ、最終的にはGoogleやFacebook、Netflixのように何でも自社で賄える「お化け企業に勝つ」ためのものだ。
例えば、広告、マーケティングといった部門間、他社メディア、自社メディア、イベント/店舗といったオムニチャネル、テレビ、PC、モバイルという異種デバイスで分断されていたデータとシステムを統合して活用するプラットフォームを提供していく。
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