最後に、渋谷氏は「適切なチャネル」について解説した。顧客が接触するチャネルは多様化の一途を辿り、バラエティに富んでいる。企業は、顧客ひとり一人が利用しているチャネルをピックアップし、メッセージを伝えていかなければならない。
つまり企業は、顧客が利用しているデバイスやツールを把握し、かつその中でどのデバイスやツールが購買に結び付いているかを理解しておく必要がある。性別、年齢や職業によって、接触するデバイスやツールは大きく異なる。このことを前提としたマーケティングコミュニケーションを考えなくてはならないのだ。
加えて、顧客が接触しているチャネルが理解できても、実際のマーケティング施策では顧客の反応に合わせてチャネル戦略を最適化しなければならないと渋谷氏は付け加える。
例えば、メール配信への反応が良い顧客に、大きなライフイベントを控えた時期にアプローチする場合には、過去の購買履歴などをもとにお勧めの商品をチョイスし、メールを起点として反応に応じたディスプレイ広告やSNSの広告、メールによるクロスセルなど配信チャネルをスイッチして顧客への接触を試みる。そうすることで、コミュニケーションを継続的に生み出していくという。
「このようなアプローチに対して、顧客は企業をコンシェルジュのように感じてくれるのではないか。これこそが、私たちが目指すカスタマーエクスペリエンスに繋がる。こうした顧客体験とのコミュニケーションを、テクノロジの力を借りて、少ないリソースで効率的に生み出していくということが、私たちの目標だ」(渋谷氏)。
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