Mozillaが、「iPhone」および「iPad」向けの新ブラウザ「Firefox Focus」をリリースした。ウェブ上で広告がユーザーのアクティビティを追跡しないようにするという。これによって、広告主との激しいせめぎ合いを拡大させた形となった。
ユーザーがウェブサイトを訪問すると、そのユーザーがクリックする確率の高い広告を示すことを目的とするテキストファイルが、多数の広告主によってユーザーのPCや携帯端末に保存される。例えば、Amazonで商品を調べ、その商品に関心を示したことをウェブ広告ソフトウェアが検出すると、他のウェブサイトで同じ商品の広告を目にするかもしれない。
Firefox Focusではそのようなユーザーを追跡するトラッカーをブロックするとともに、メニューやタブなどの従来のインターフェース要素も排除して閲覧を高速化する。しかし、広告を実際にブロックすることまではしていない。「Brave」や「Opera」は広告をブロックするが、Googleの「Chrome」も広告ブロック機能を組み込んでいない。
MozillaはFirefox Focusについて、「モバイルウェブページを遅くする大きな要素が、ウェブでユーザーを追跡するために用いられる技術である。Firefox Focusはこのようなトラッカーをブロックするため、ユーザーの活動を追跡する多くのサイトで、ユーザーはパフォーマンスの向上に気付く可能性が高い」と説明している。「追跡機能に依存しているために正しく動作しないサイトに遭遇することが時々ある。その際、こうした追跡が気にならなければ、Firefox Focusでは現在のサイトを『Firefox』または『Safari』で簡単に開くことができる」(Mozilla)
Firefox製品担当バイスプレジデントのNick Nguyen氏によると、Mozillaはすでに、デスクトップ版とAndroid版のFirefoxについては「プライベートタブ」に追跡防止機能を組み込んでいるが、Appleが課す制限により、iOS版Firefoxにはこの機能を追加できなかったという。これに対処しようとする中でFirefox Focusが実現した。
「エンジニアの1人が、コンテンツブロッカー『Focus by Firefox』をもとにシンプルなブラウザを試験的に開発した。使用してみて、容易に管理できるプライベートで軽量なブラウザがあればとても便利なことがわかったので、喜んで公開することにした」(Nguyen氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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