自分が本当は支援したいウェブサイトでブラウザ「Brave」が広告をブロックしたとき、罪悪感を覚える人もいるはずだ。
「Brave 0.11.6」では、ベータテスト中の「Brave Payments」という機能を通して、ユーザーが毎月サイトに寄付することができる。Braveの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のBrendan Eich氏によると、毎月5ドル程度を寄付すれば、失われた広告収入を補填するのに十分だという。
Eich氏は、「ウェブサイトに自動で少額を寄付したいが、そのために何百または何千ものサイトにクレジットカードを登録するのは嫌だ、という意見が寄せられている。Brave Paymentsは、そうした人々に対するわれわれの提案だ」と述べた。ただし、取引を完了するためには、ウェブパブリッシャーは認証を通して寄付金を受け取らなければならない。そして、広告をブロックするBraveのやり方を快く思っていない一部のウェブパブリッシャーは、同社に協力しないと表明している。
Brave Paymentsは、パブリッシャーと読者を敵ではなく味方にすることを目指すBraveの基本計画の重要な一歩である。現在、多くのパブリッシャーが特定のユーザー層に向けて、より実入りの良いターゲット広告を配信するため、ユーザーの閲覧行動と個人情報を追跡している。Braveが計画しているのは、ターゲット広告を同ブラウザに制限してプライバシーを保護し、最終的には広告収入の一部をBraveユーザーと直接分け合うことだ。
収入の分配に関するBraveの現在の戦略では、広告収入の55%をパブリッシャーに支払うことになっている(ユーザーが15%の分配金を受け取らない場合は、70%をパブリッシャーに支払う)。Brave自体は15%を受け取り、15%を広告技術で提携しているパートナーに支払う。
この計画で鍵となるのは、Braveの広告から収入を受け取ることをパブリッシャーに実際に納得してもらうことだ。
Brave Paymentsは閲覧行動に基づいて、非公開のウェブサイトリストを自動生成する。ユーザーはそれらのウェブサイトへの寄付を明確に有効化または無効化することができるとEich氏は述べた。現在のところ、Braveは一般ユーザーにコンテンツ提供を依存している「プラットフォーム」ウェブサイト(例えば、TwitterやYouTube)を除外している。ツイートや動画投稿を行うユーザーに広告収入の一部を支払う方法がまだ確立されていないからだ。
Brave Paymentsは匿名のシステムなので、Braveもウェブサイトパブリッシャーも実際に誰が寄付しているのかを確認できない。送金にはデジタル通貨のビットコインが使われるので、Braveが決済詐欺を企んでいるのでないことは明らかだ。
Bitcoinは摩擦の少ない決済を可能にするが、ユーザーにビットコインを利用させることには摩擦がともなう可能性がある。Braveは円滑な普及を目指して、ビットコインによる寄付をデジタルウォレットで保管するためにBitGoと提携した。また、Brave内でのビットコイン購入を可能にするためにCoinbaseと提携し、ユーザーのIPアドレスがBraveのログに残らないようにするためPrivate Internet Accessとも提携した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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