ディー・エヌ・エー(DeNA)は、現在サービスを行っているアニメやゲームに特化したキュレーションアプリ「ハッカドール」スマホ版において、3月から広告の導入ならびに販売を開始。その狙いやターゲティングなどによる広告効果の利点、またハッカドールとしての今後について、ハッカドールプロジェクトのプロダクトオーナー兼エンジニアを務める嶋田裕二氏に聞いた。
ハッカドールは、アニメやゲーム、ライトノベルなど、いわゆる“オタク”ユーザー向けに特化したサブカル情報のキュレーションサービスとして、2014年8月からスマートフォンアプリを配信。2016年1月時点の総ダウンロード数は130万ながら、ページビューは月間1億5000万、全利用者のうち週5日以上利用するユーザーが8割以上という高い利用率を誇っている。ユーザー属性として男女比が9対1と男性が多く、年齢層は20代が5割弱、おおむね10代から30代を中心に利用されているという。
そのほか、2015年5月からはウェブ版のサービスを開始したほか、ガイド役キャラクターのコンテンツ展開も実施し、2015年10月からテレビアニメも放送した。
ハッカドールにおける広告効果のポイントは、ターゲティング精度の高さにあるという。ハッカドールは購読履歴だけではなく「ホシイ・イラナイ」という評価を付けることができ、これによってキーワードごとの好みを蓄積。ユーザーの好みをより正確に分析できるという。その精度の高さは、そのまま高い継続率やページビュー数の多さにも現れていると説明する。
ハッカドール自体がジャンルを特化したサービスであり、ユーザーのターゲットが大枠でとらえられている。とはいえ、アニメ好き、ゲーム好きとだけとらえてしまうと広告効果は出せないと嶋田氏は語る。ユーザーの好みや志向は細分化されており、アニメひとつとってもさまざまな要素や属性がある。それを購読履歴や評価機能を通してより正確にターゲティングし、的確な広告を届けることで広告効果を上げる。
ターゲティングを2重に絞り込むことと、アニメなどの世界を“2次元”と称することにかけて、チーム内ではこの仕組みを造語として「2次元ターゲティング」(Two‐dimensional Targeting)と呼んでいるという。
「例えば、ハッカドールの女性ユーザーは1割であり、通常の広告出稿の考え方だと、そこに向けた広告は出しにくい。でもハッカドールであれば、その1割に向けた広告を的確に届けることが可能」(嶋田氏)
アプリの世界観としてもキャラクターを活用し、ユーザーに愛着も持ってもらえるような設計としている。ターゲティング精度の高さも相まって、アニメやゲームを本当に深く好きなユーザーが多い。例えば、これまでコラボレーション企画を実施したモバイルゲームでは、自然流入と比べて10~20%高い継続率となり課金率も向上する結果が出ていると説明。なお、ターゲティング広告は今春以降から実装予定としている。
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