資生堂の小助川氏は、「High School Girl? メーク女子高生のヒミツ」という動画で、本編819万再生(12月7日時点)、メイキング映像93万再生(12月7日時点)をそれぞれ記録。時が止まったかのような教室にいる複数人の女子高生と思われる人物が、最終的に全員メイクした男性であるという種明かしをする内容だ。
資生堂においては、「若年層(10代)に向けた動画コミュニケーションの開発」と、「若年層において特に資生堂に対するイメージが希薄になっていること」が課題となっていた。女子高生のポーチの中には資生堂の化粧品はなく、「100円均一のコスメばかり」(同氏)。「資生堂といえばお母さんの化粧品」というイメージの強い、若い世代に対して「私にも関係ありそうな会社」と思わせるためのブランドアピールを主な目的としていた。
もともとは社内研修でのワークショップで生まれた企画であり、「将来に向けたコミュニケーションの実験」「動画コミュニケーションのノウハウ蓄積」「ソーシャルによる拡散ルートの解析」も目的としていたという。
プロモーションは実施していないが、ヒットした理由については「見た人がびっくりした、それだけ。大人になってびっくりすることってあまりない」と、シンプルに振り返りながらも、「テレビCMは流れてくる物を見るものだが、ウェブ動画は見にいくもの。探すというより、流れてきてぶつかるみたいな発見の仕方が多い」とし、「自分で発見した驚き、絆が強まるのが強み」であると分析している。
とはいえ、ウェブ動画を制作する人に対しては、「わざわざ見ようとするものなので、(制作側が)言いたいことを言って(視聴者に)聞いてもらえると思っちゃいけない」と注意を促す。
「なぜウェブ動画を見るかといったら、ひまつぶし。その時間につまらないものを見たら腹立たしくなる」と述べ、最後に完成度の高いウェブ動画の例として、「見た人が進んでやりたくなるというモチベーション設計が完璧」だというジョン・ルイスのクリスマス広告を紹介した。
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