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顧客の心に火をつけるデータ活用

流山市のスマートなデータ活用法--データの価値は量ではなく、意思決定に使えること - (page 3)

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データの価値は量ではなく、意思決定に使えるかどうか

 マーケティング課が設置されて約10年が経ち、成果も転入人口増という形で表れています。が、11段階の愛着度測定により推奨度5、7の市民の存在が確認され、言わばアドボケーツ育成の伸びしろが見えたことによって、流山市は「もっとまち好き度を高め、地域参画総量を上げる取り組みに挑む」という新たな課題設定を実現しました。転入人口増というミッションは変わらずとも、それを実現する施策レベルではトライ&エラーの“種”を新しく創造した点に注目すべきです。

 ここで話されている地域参画総量とは、国内外のシティプロモーションに詳しい、東海大学文学部広報メディア学科の教授である河井孝仁氏が提唱した、「市政への参画意欲や、市の魅力の伝達意欲、感謝の気持ち」を数値化したもの(魅力伝達という点においてNPSの概念が含まれています)。個人ではなく組織をベースにしている点で、私は非常にユニークな指標だと思っています。

 自治体のみならず企業も、またマーケターのみならずリクルーターもが生かせると思うため、すこしご紹介したいと思います。

 この指標が生み出された背景には、全国のシティプロモーターたちの効果測定・目標設定への問題意識があるそうです。河井氏は「クチコミデータは個別の意見や伝播力もわかりますが、“なんとなく”な評価に陥りがちです。定量化することにより、目標設定が可能となります」と説明します。

 さらに、その利点については「シティプロモーションや地域創生の目標が、単に人口増加とするのであれば、熾烈な地域間競争や、本来は主権者である市民を顧客とだけ考えるサービス合戦という不毛な状況になります。地域参画総量という概念により、上記ではなく、まさに主権者そして地域への主体的なプライドを持つものとしての市民を増加させることの意義があると考えます。これらを定量化することで、具体的な施策目標、KGIとして設定できることになります。結果としてPDCAも可能になります。地域参画総量は、あくまで当該地域の“変化”を評価するためのものであり、ビッグデータではなくても変化確認できれば数百のアンケートレベルでも意義はあると思います」(河井氏)。

 河井氏が言う通り、そして流山市が実践している通り、定量的な目標設定は、活動を次につなげるために存在します。そして、ビッグデータではなくても、アクションを生み出せればスモールデータでもいいのです。逆に言えば、(これはデータアナリストに私も注意されることですが)いくらデータがあっても使えなければ意味がない、次の手の意思決定に寄与しなければビッグデータも無価値、ということです。意思決定を促す知性あるデータという意を込めて「スマートデータ」と私は呼んでいます。

 目標設定から効果検証までを通じてデータの価値を考えてきました。いわばデータありきでした。次は発想を逆転させます。マーケティング活動に「スマートデータ」を組み込むためには何をすればいいのでしょうか。

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