この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを隔週でお届けします。今回は、タイの保険マーケットと各社のプロモーション手法についてお伝えします。
私事ですが、先日息子が産まれました。バンコク生活も2年半を超え、私も32の年になり、そろそろ年金、保険、不動産などの資産運用を考える年になってきました。せっかく海外に駐在しているので、円安に乗り、うまく資産運用ができないかと考えている今日このごろです。さて、本日はタイの生命保険に関してお話しします。
タイには50社を超える保険会社が存在します。扱っている商品は、生命保険・自動車保険・積立年金・医療保険など、日本と同じような商品がたくさんあります。その中でもタイで最も大きなマーケットを保有しているのが、生命保険です。
Thai Life Assurance Associationのデータによると、2003年からの10年間で実に3倍以上のマーケット規模に成長しています。
その中でも、生命保険部門でシェア第1位の企業はやはりAIA。90年の歴史を誇る香港の企業です。自動車保険では68年の歴史を持つタイのVIRIYAHが強く、ほかにもタイのDHIPAYAは幅広い種類の保険商材を扱っているローカル企業です。日系ではTOKYO MARINE(東京海上日動)、米企業LMGなどが続いています。
保険マーケットの中でも成長が著しい生命保険ですが、その成長要因としては、主に以下3点が考えられます。
1.圧倒的に高い所得税
円安とは言え、物価の安いイメージのタイですが、駐在した方なら、所得税の高さに驚かされると思います。その額は、年収100万THB(352万3289円、2015年8月16日現在)までの方であれば20%、それ以上の方で30%、最大で37%の所得税がかかります。
現在、タイ政府もさまざまな保険への加入を推奨しており、保険商品に加入すると、累進課税分の最大30万THB分が非課税対象となります。
2.年金への不安
タイでもSSF(社会保障基金)と呼ばれる公的年金はあります。ただし、これは1990年に整備され、2012年に初めて支払いが始まったばかりの制度で、給付額も基本給のわずか3割ほど。タイ政府としても別途個人でのリスク管理を促しているのが現状です。保険商材に関しては、万が一の際に国が同額補填をしてくれる法律もあり、人々の保険への関心は高まっています。
3.プロモーション
タイの人々に生命保険と聞くと、「感動的なCM」のイメージが強いかと思います。動画の作り方から各社の特徴を比較してみましょう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス