この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを隔週でお届けします。今回は、台湾でのメッセンジャーアプリ「LINE」の活用状況についてお伝えします。
台湾では、多くの人々がLINEを愛用しています。2015年にLINEが発表した資料によると、台湾には1700万以上のユーザーがおり、これは単純計算で台湾総人口およそ2300万人のうち70%以上がアカウントを持っていることになります。LINEは2011年6月のサービスを開始以来、グローバルユーザー数を増加させ、台湾のほか、日本、タイ、インドネシアでトップシェアを占めています。
台湾のモバイルメッセンジャー市場では、その市場を先占したメッセンジャーサービスが広がる傾向が強いため、LINEの台湾でのトップシェアは今後も長期的に続くのではないかと思われます。
台湾ユーザーから人気を得ている理由として、まず、コミュニケーションを豊かにする「スタンプ」が挙げられます。LINEは日本同様、公式スタンプやクリエイターズスタンプなど数え切れないほどの種類のスタンプを、有料または無料で提供しています。台湾ではLINEの公式キャラクターも人気を博しており、2014年10月には韓国・ソウル店に続き、世界で2番目の公式キャラクターショップを台北市内に出店、たくさんの人々に愛され続けています。
台湾人はスタンプが特に好きで、7月にLINEが主催したクリエイティブスタンプ講座で公開した通計データによると、台湾人のスタンプの使用回数は日本人の約1.5倍と圧倒的に多く、全世界でも1、2位を争うほどの使用回数とのこと。
台湾人が好きなスタンプはユーモラスで滑稽なスタイルのもので、最近人気のスタンプは「バナオ」と「不許妳胡說!(でたらめ言うな)」ということです。また、台湾はスタンプの創作にも積極的で、全世界トップ100組のスタンプの中で、9組は台湾発だとか。
なおメッセンジャーアプリだけでなく、グリーティングカードを簡単に作成できるアプリ「LINE Card」や、絵を描いたり写真をスケッチ風に加工できる「LINE Brush」などのLINE公式連携アプリも台湾の人々の間で人気を博しており、ユーザーの満足度はいずれも高くなっています。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」