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「EC売上アップ」のコツ

急成長中のECサイト「esty」を使い倒し、年商1億円超えのヘアバンドブランド - (page 2)

尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)2015年08月18日 08時00分
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Etsyをフル活用して成功

 現在、Three Bird NestはEtsy上でハンドメイドで作られたヘアバンド、ニットスカーフやニット帽、シャツ、アクセサリーなどを販売している。全ての製品が自社製というわけではなく、海外から輸入したものを販売することもあるようだ。


Three Bird Nestの商品例

 Etsyのほかに自社サイトでも販売しているが、こちらはEtsyのアカウントを持っていない顧客のために開いたもので、売り上げの割合もEtsyが7割、自社サイトが3割と、あくまでもEtsyがメインの売り場となっている。

 もちろん、Etsyで販売すれば自然に販売数が増えるわけではない。たとえば2012年の調査では、Etsyの売り手の74%がビジネスとして販売をしている一方で、年間売り上げが100ドル(約1万2000円)に満たない数が65%にものぼったという。そんな厳しい中にあって、Three Bird Nestはどのようにして大きな成功を収めることができたのだろうか。

 その背景にあるのは、顧客からの利用数を増やすための基本作業の徹底だ。

 たとえば、顧客がEtsyで商品を探すときにはブランド名ではなく、商品名で検索する人が多い。そこでThree Bird Nestでは、商品名で検索した際に出てきた一覧の中で、自分が顧客なら自社ブランドの商品を確実に押すかどうか、という観点から写真や文字情報をよく検討しているという。

 中でも最も購入の判断基準になりやすい商品写真にはよくこだわっており、フルタイムで雇用しているカメラマンが撮影をし、商品を着用するモデルはすべて同じ人物を起用している。マネキンや商品を机に置いた写真は少なく、モデルが商品を着用した状態の写真がほとんどで、これがブランドの統一感につながっている。


同じ人物をモデルに起用

 そのほかにも、「商品名に変な名前を付けない」「商品の記述、ストーリーを充実させる」などの文字情報の最適化、「メールや電話などの質問には可能な限り早く応える」「顧客のリピート購入を促し常連客を作るために5%クーポンをプレゼントする」といった顧客サービスを提供しているという。

 これらの多くは基本ともいえる内容だが、シェーファー氏によると「商品に変な名前をつけない」ということさえ実行できていないブランドが多いそうだ。基本的な事柄を押さえることが成功の近道ということだろう。

マーケットプレイスサイトの特性をつかむ

 実は、シェーファー氏はこれらの施策の多くをEtsyのブログから学んだという。そのブログでは成功ショップを取り上げ、どのようにすれば売り上げを伸ばせるかのヒントなどが紹介している。プラットフォームによるヒントやハウツーは、基本的な事柄、ありきたりのことだけが書かれているというイメージもあり、見逃している人も多いのではないだろうか。恥ずかしながら僕も、こういうアドバイスは読み飛ばしていることが多いように思う。

 そんな中にあって、Three Bird NestはEtsyが提示するヒントを忠実に守り、Etsyを利用する顧客に最適化したショップとブランドを築き、大きな成功例となった。自分がマーケットプレイスサイトで商品を販売するときには、まずはそのサイトがどのようなポリシーを持ち、販売のコツを提示しているかをチェックしてみるとよさそうだ。

 最後に1つ、Etsyは日本ではまだまだ浸透していないが、すでに世界中に多くの売り手、買い手がいる。国内のみならず海外の顧客獲得も考えているECサイトは、販売する場の選択肢に加えてみてはいかがだろうか。

尼口 友厚

ネットコンシェルジェ

CEO

明治大学経営学部卒。米国留学からの帰国後、デザイナー/エンジニアとしての活動を経て、2002年に国内有数のウェブコンサ ルティング会社「キノトロープ」に入社。 2003年、同社関連会社としてネットコンシェルジェを設立。eコマースとブランディングを専門領域とし、100億規模の巨大ECサイトからスタートアッ プまで150を超えるクライアントを抱える。

2015年にベンチャーキャピタル2社より資金を調達し、キュレーションコマースプラットフォーム「#Cart」を開始。趣味はブラックミュージック鑑賞。著書に「なぜあなたのECサイトは価格で勝負するのか?」(日経BP)。

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