PR事業を手掛けるアウルは6月16日、ウェブメディア(ニュースサイト)が掲載した記事のPR効果を測定するクラウド型ツール「indicator(インディケーター)」を提供開始した。露出面積や露出時間をもとにした広告価値換算に代わる新たな評価手法として“編集価値換算”を開発し、独自のロジックを組んでツールに取り入れた。
編集価値換算は、12のウェブメディアがアウルに提供した約8000記事のPV数と、各記事内のSNSプラグインボタンの押下数(拡散数)から相関関係を導きだして想定PV数を算出、その数値にウェブメディアが販売する一般的なタイアップ広告の“1PVあたりの価格”を掛け合わせる手法。
相関関係を調べるにあたり「IT/ビジネス」「エンタメ/ライフスタイル」「バイラル/動画」「その他/一般」の4カテゴリにわけて、それぞれの特徴を計算ロジックに組み込んだという。「従来の広告価値換算に比べて、実際に反応があった記事の価値を換算できるため、実効力が高い」とアウルは説明している。なお、従来の広告価値換算値も同時に確認できる。
想定PV数やSNSの押下数は、ツールに登録した記事ごとに確認できる。SNSの押下数は登録日から毎日収集され、データベースに蓄積される。登録可能な記事件数の上限はひと月1000件まで。そのほか、「Google」「Yahoo!JAPAN」の検索結果画面での掲載順位の測定や、類似記事のクリッピング、キーワードによるクリッピングなどの機能も搭載。これまで手動で行われていた記事の収集作業などを自動化することで、担当者の負担を減らせそうだ。
同社代表取締役でCEOの北村俊二氏は「エディトリアル領域のマーケティング市場が拡大するなか、ウェブメディア、ソーシャルメディアに対応した新しい効果検証の必要性が高まっている。indicatorにより、今まで見えていなかった新しい視点やKPIをマーケティングに取り入れ、『真に効果の高いPR』を実感してもらいたい」と話す。
利用料金は、初期費用が5万円、月額費用が15万円(いずれも税別)。半年間以上の利用から契約できる。アウルでは、PR/マーケティング担当者に加え、広告代理店や制作会社、PR会社、また競合メディアの想定PVを把握できることなどから媒体社による活用も見込む。年間での導入目標は100社としている。
今後、各ウェブメディアのサイト全体の想定PVや想定UUなどを閲覧できる機能などを実装する予定。また、クラウドツールである利点を生かせるよう改善を続けていくという。
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