「eラーニング」から「EdTech」へと変化するデジタル教育市場 - (page 2)

横林英勲(D2Cソリューションズ)2015年06月09日 09時00分

EdTech活用、今後のねらい目

 こうした状況であるが、それぞれに課題がある。JMOOCなどはマネタイズに苦しんでいるし、有料サービスも伸び悩みの傾向にある。当然ではあるが、BtoCサービスの対象は、学習意欲が高く、資格取得などの目的意識の強い人たちに限られる。また、無料という印象の強いネットサービスのマネタイズは決して容易ではない。

 あらためて俯瞰してみると、広告市場よりも投資金額が圧倒的に大きな教育市場であるが、まだ市場として安定しているとは言えない。「英単語を覚えよう」とか、「大学の講座を無料配信する」とか、「資格学習のオンライン化」、「スキルのナレッジマップを作る」といったサービスが単発で登場しているという状況で、どの事業者もそれほど儲かっていない。

  一方、企業内教育もスマートフォンなどのスマートデバイス端末の普及で姿を変えてきている。しかしながら、この学びのスタイルに適した教育プラットフォームはまだまだ少ない。企業が社員教育にもっとデジタルの力を活用していくことで、個人の市場価値も高まり、さらに企業の組織知も上昇し、日本企業の競争力も増強されるはずだ。

 今、政府も2020年までに義務教育の生徒1人に1台タブレットを配布し、教科書や授業を積極的にオンライン化していこうとしている。教育現場は、デジタル教科書の問題よりも、既存の教育にプラスしたさまざまなEdTechアプリを導入して子どもの学びを促進したいと思っている。

 その点において、D2Cソリューションズはソフトウェア開発の面で参画している立場であるが、より多角的な教育改革が今、求められていると考える。その改革に極めて有効な手段がスマートデバイス×EdTechであり、動画×eラーニングであることは間違いない。

 次回は、企業内教育をさらに掘り下げて、どのような教育が必要とされているのかについて、考察したいと思う。

(D2Cソリューションズ クラウドビジネス部 シニアマネージャー 横林英勲)

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