ここまで紹介してきたように、Apple Watchには非常に多くの機能がある。使っていて楽しかったかと聞かれれば、概ね楽しかったと言えるが、機能があまりにも多いので、少し戸惑ってしまうこともあった。スワイプ、タッチ、ディスプレイを強く押す操作、ボタン、クリック可能な「Digital Crown」ホイールなど、操作方法がとても多い。さらに、「Siri」もある。スワイプすればいいのか、それともクリックすればいいのか。強くタッチすればいいのか、それとも音声で命令すればいいのか。アプリメニューがどこにあるのか分からなくなることもあった。また、さっき開いたばかりのアプリに戻るために、苛立ちを覚えるほど何度もCrownをクリックして、スワイプでアプリをかき分け、そのアプリをもう一度開く必要があった。
通知を受け取れないことも何度かあったが、後になって、iPhoneのディスプレイがオンになっているとApple Watchには表示されないことに気づいた。それからずっと通知が来なかったので、Apple Watchのペアリングを解除した。これは基本的に、情報をすべて削除して最初からやり直すことを意味する。Apple Watchは操作の手段があまりにも多く、アクセスすべき場所も非常に多いため、ごちゃごちゃしすぎていてユーザーが混乱してしまうのではないだろうか。Appleは、ユーザーがApple Watchを一度に操作する時間を5~10秒程度と想定しているが、アプリを見つけて開くだけで、それ以上の時間がかかることもあった。
入れ子式のインターフェースは複雑になることもある。設定も複雑だ。予約してApple Watchを試着し、選択するという手順も複雑である。意図的にそうしているのだろうか。
Apple Watchの文字盤の追加機能は「コンプリケーション」と呼ばれる。古い腕時計業界の用語がその由来だが、英語の「complication」には「複雑」という意味もある。筆者の祖父と大叔父は腕時計職人だった。筆者が母から聞いた話では、古いゼンマイ式の時計にはコンプリケーションをぎっしり詰め込んだものが多く、この隠された追加機能が腕時計の品質を示していたという。Apple Watchは複雑さを誇りとしているのかもしれない。筆者に分かることは1つだけだ。筆者が一部の機能を理解するのに苦労していると、母はどう感じるだろうかということだ。
もちろん、バッテリ残量には常に注意する必要がある。
最終回に続く。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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