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新潮流「ダイナミックリターゲティング」

ネット広告の歴史を振り返る--「ダイナミックリターゲティング」誕生まで - (page 2)

平澤新人 (Criteo)2015年03月05日 08時00分
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 少々蛇足となりますが、リスティング広告誕生以前にも、検索結果に広告掲載をする商品は存在していました。しかしながら、「『自動車』のみの検索結果」、「『転職』のみの検索結果」といった限られたキーワードのみが販売されており、現在のリスティング広告のように数千、数万キーワードに対して掲載できるものではありませんでした。

 販売するメディアにとっても、キーワード単位でひとつずつ掲載枠を設ける必要があり、かつ広告単価も決して高くありません。このような事情から、メディアにとって、注力すべき広告商品ではありませんでした。広告主側からみると、広告効果は高いためニーズはあるものの、配信量が少なくスケール面でインパクトがないため、メディア同様、マーケティング活動における重要なポジションを築くまでには至りませんでした。

 ニーズはあるもののマネタイズ面でくすぶっていた「検索結果」という金の卵が、Overture、Googleが起こしたインターネット広告における革命によって、どのような結果になったかは、その後のGoogleの売り上げを見れば明らかです。


(図5)Googleの売上推移(参考:Google IRデータ)

 閑話休題。2000年代中盤にはインターネット広告の中心となったリスティング広告ですが、広告主/メディア両サイドからみると問題も生じてきます。皆さん、ネット閲覧時の行動を思い浮かべてみてください。

 「デジカメを買い換えたい」場合、比較サイトやECサイトを閲覧するのは、価格や在庫、性能を調べるのが目的です。「検索」はそのサイトにたどり着くための手段にすぎず、ユーザーは「検索」に多くの時間を費やさないのです。

 広告主のネット経由での売り上げが日に日に増し、ネットの影響力が強くなるなか、インターネットマーケティング施策がリスティング広告偏重では十分ではなくなってきます。そこでユーザーが長く滞在し、かつ多く閲覧するページに再び注目が集まるようになります。

 このエリアは純広告と呼ばれる一般的なバナー広告、コンテンツマッチなどと呼ばれるサイトページのコンテンツに連動した広告が掲載されていたものです。このエリア、特に純広告に関しては、インターネット広告市場が年々大きくなるなか、2008年の売り上げをピークに踊り場を迎えます。

 インターネット広告は、多くの広告主から“ダイレクト”レスポンスを求められます。広告掲載中にどれだけの目に見える成果が上がったかが重要な指標となります。広告主にとって満足な結果が得られれば、それこそリスティング広告が辿ったとおり、売り上げは順調に伸びていきます。

 純広告が初めて前年比でマイナスを記録した2009年、すでに米国において普及が進み始めていた新たなアドネットワークの潮流が、日本でも生じます。

 もともとアドネットワークは、各サイトの売れ残りの広告枠や閲覧者の少ないサイトを束ねてボリュームを出すものであり、品質や効果の側面でいくつかの問題を内包していました。そこに、広告配信面でのターゲティング(たとえば旅行関連のサイト/コンテンツに広告配信をする)ではなく、どのようなサイトを見てどのような商品を買ったユーザーなのかといった「オーディエンスデータ」からターゲティングを行う「オーディエンスターゲティング」という新たなトレンドが生まれました。

 オーディエンスデータが活用されることによって、広告主は欲しいユーザーを指定し、媒体社はどのようなユーザーなのかを提供、さらにそれぞれ買値と売値を指定するという新しいマーケットが誕生。さらに、この買値と売値の取引をリアルタイムに成立させる株式市場のような仕組みとして「RTB(=リアルタイムビッディング)」が誕生します。これが、俗に言う「アドテク」が産声を上げた瞬間です。

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