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新潮流「ダイナミックリターゲティング」

ネット広告の歴史を振り返る--「ダイナミックリターゲティング」誕生まで

平澤新人 (Criteo)2015年03月05日 08時00分
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 2014年、インターネット広告におけるひとつのキーワードであった「リターゲティング」。その中でも「ダイナミックリターゲティング」というビッグデータ、アドテクノロジを利用した最先端の広告が、さまざまな企業のインターネットマーケティング活動において重要なポジションを築くまでに成長してきました。

 新たなトレンドとなったダイナミックリターゲティング広告について、Criteoのアカウントストラテジストのメンバーが複数回にわたって解説していきます。

 第1回は、まずインターネット広告の歴史を「ターゲティング」の切り口で振り返り、ダイナミックリターゲティングが誕生した背景に迫ります。

「ターゲティング」視点で振り返るインターネット広告の歴史

 インターネット広告の歴史はさまざまな角度から語られるものの、その発展過程を辿る上では「ターゲティング」という側面は外せません。

 ターゲティングは、インターネット広告に限らずすべての広告において重要な要素です。たとえば「週刊誌Aは、発行部数30万部、読者の平均年齢が38.6歳、職業は会社員が55%、役職は部長クラスが13%、課長クラス18%、平均年収は485万円」といった形で各メディアはユーザーデモグラフィックを公表しています。広告主は、これら読者データを参考に、訴求したい商品・サービスとマッチングするユーザーを擁するメディアを選定していきます。

 インターネット広告においても同様で、黎明期である2000年代前半までは、メディアから提供されるユーザーデモグラフィックがターゲティングの主な材料でした。

 当時のインターネット広告におけるターゲティングの別の手法もひとつご紹介します。(図1)は、2001年当時のYahoo! JAPANのトップページで、現在のデザイン(図2)と比較してみると大きな違いがあることがわかります。当時は検索窓が小さく、「プロパティ」(黄色の枠線部分)と呼ばれる目次機能から目的のサイトを探すというユーザー行動もまだ一般的でした。

  • (図1)2001年当時のYahoo! JAPANのトップページ

  • (図2)現在のトップページ

 そのため、カーナビを取り扱っている企業であれば「趣味とスポーツ>車>カーナビ」のページに広告を出稿することで、高い興味関心を持つユーザーにリーチすることが可能でした。自動車専門誌に広告出稿することと近しいターゲティング。インターネット以外の広告において、長年積み上げてきたターゲティング手法を踏襲していた時代です。

 そこに2002年、革命が起きます。リスティング広告(検索連動型広告)の誕生です。2002年9月にGoogleが、11月にOverture(現Yahoo!リスティング)が日本でサービスを開始します。

 ユーザーの性別、年齢、年収、趣味趣向といった統計データに頼ることなく、ユーザーが“今まさに”“自らの意思で”探している興味関心のあるキーワード、その検索結果に広告を配信することが可能になりました。東京出張の予定があるユーザーが「東京 ホテル」と検索をしたまさにそのページに関連性のあるサイトが表示されるのですから、効果がよいことは歴然です。

  • (図3-1)Googleのリスティング広告配信イメージ

  • (図3-2)Yahoo! JAPANのリスティング広告配信イメージ

 リスティング広告は瞬く間にインターネット広告市場を席巻し、サービス開始から5年後の2007年にはすでに30%に迫る市場シェアを占め、その後も順調に市場規模を伸ばしました。2011年には、そのシェアはインターネット広告の40%を超え、2500億円(PC、モバイルを含む)を超える規模に成長しました。


国内インターネット広告市場(媒体費のみ)の推移と予測(出典:電通「日本の広告費」、みずほ銀行産業調査部)

 リスティング広告はまた、新たな広告の種類を生み出しました。一般的に「運用型広告」と呼ばれる広告です。従来の広告は、配信される「枠」だったり、期間、配信するインプレッション量があらかじめ決まっており、広告掲載中に広告原稿やデザインといったクリエイティブを変更することは多くありませんでした。

 リスティング広告には基本的に「枠」という物理的な制約がなく、入札単価のオークション(厳密には、入札単価だけではなく複雑な要素が加わります)により表示箇所、「枠」が決まります。入札単価を「運用」することが、よりよい「枠」に広告掲載するための重要な役割となります。加えて、管理するキーワードが数千、数万となることも珍しくなく、入札単価調整、クリエイティブのテスト、効果検証といった「運用」を日々行うことが、効果をより改善していくための必須条件となっていきます。

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