ゲームするなら「iPad mini」よりおすすめ、レノボ「Legion Tab」レビュー

Jason Cockerham (Special to CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年06月30日 15時03分

 「Android」搭載タブレットの世界は時に博打のように感じるが、ときどき大当たりが出る。サムスンの「Galaxy Tab S10」のように最高水準のAndroid体験を提供する機種もあれば、「OnePlus Pad 3」のような優れた端末や、レノボの「Lenovo Tab Plus」のようなお買い得モデルもある。

Legion Tabでゲームをプレイする様子 提供:Jason Cockerham/CNET
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 レノボの別モデルである「Legion Tab」(第3世代)は、2025年のCESにおけるサプライズとなった。8.8インチのゲーム特化型タブレットで、「iPad mini」より少し大きいが、価格は500ドル前後で大きく変わらない(日本では税込でLegion Tabが7万9860円、iPad miniが6万9800円)だ。その価格で高性能、堅牢なビルド、優れた仕様と機能が手に入る。数週間使った結果、この小さなタブレットは実に素晴らしく、米CNETのEditors' Choice賞に値すると確信した。

  1. 優れたハードウェア
  2. サクサク動くが更新が遅いソフトウェア
  3. 外出先でゲームを楽しむ最良の方法

優れたハードウェア

 まずサイズ。対角8.8インチで大型スマホより大きいが、多くのエンタメ向けタブレットよりは小さい。使うほどに、ほぼ理想的な大きさだと分かった。大型タブレットは長時間持つと重く、スタンドがないと立て掛けが面倒だが、スマホより大きいので目は疲れづらい。さらに「Razer Kishi Ultra」のような優秀なコントローラーも装着でき、モバイルゲーム体験が大きく向上する。

 レノボはディスプレイにも力を入れている。8.8インチ・2.5K(2560×1600ピクセル)のタッチスクリーンで、最大165Hz、DCI-P3を98%カバーする。参考までにiPad miniは8.3インチで解像度はこれより低く、本体はむしろ大きい上、ベゼルも太い。Legion Tabのベゼルは極めて細い。

 スピーカーも優秀だ。ステレオはDolby Atmosに対応し、音質が素晴らしい。OnePlus Pad 3や「iPad Pro」には及ばないが、このサイズのタブレットとしては優秀だ。

Legion Tabの背面 提供:Jason Cockerham/CNET
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 性能面でも強力で、搭載されたQualcommの「Snapdragon 8 Gen 3」は今でも極めて強力なモバイル向けチップセットだ。筆者は使用中、遅延やカクつきに一度も遭遇せず、プレイしたすべてのゲームは設定を最高にしても滑らかに動いた。

 Legion Tabは12GBのDDR5Xメモリーと256GBストレージの1モデルのみ。メモリーやストレージを拡張できないことは、特にゲームの容量がますます大きくなっていることを考えると、一部の人にとっては欠点になるかもしれない。レノボはmicroSDスロットを備えたLegion Tab Gen 4を中国で発売したが、筆者が問い合わせたところ、国外で発売する予定は当面ないという。

 バッテリーは6550mAh、68Wの急速充電に対応。USB-Cポートは2基。右側(縦持ちで下側)はUSB2.0で充電専用、底面(縦持ちで左側)はUSB 3.2で最大10Gbps転送と映像出力に対応する。

 レノボのデスクトップモードは優秀で、外部キーボードやマウスをつなぐと擬似デスクトップ環境になる。今のところノートPCを置き換えるものではないが、役立つ場面は多い。

Legion Tabのカメラ 提供:Jason Cockerham/CNET
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 背面には2つのカメラが搭載されている。13MPのメインカメラと2MPのマクロレンズだ。前面には8MPのカメラが搭載されている。筆者はタブレットのカメラにあまり期待をしていないが(マクロカメラは例外)、実際それほど悪くはない。ハイエンドスマホのカメラに取って代わるものではないが、予想以上に良い出来だ。前面カメラは外出先での簡単なビデオチャットやグループでのゲームセッションには十分であり、背面カメラは、他にすぐ使えるカメラがない場合にスナップ写真や短い動画を撮影する分には問題ない。

 付属品も充実している。スクリーンプロテクターや、スタンドにもなる折りたたみカバーが同梱され、価格以上の価値を高めている(編集部注:日本では標準で同梱されない)。

 唯一惜しいのは指紋センサーがない点だ。顔認証によるロック解除はできるが、パスワードマネージャーなど他の場面では使えない。電源ボタン一体型の指紋センサーが一般的になった今、この価格で非搭載なのは残念だ。

Legion Tabの箱 提供:Jason Cockerham/CNET
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サクサク動くが更新が遅いソフトウェア

 OSはAndroid 14で、残念なことに多くの不要なアプリや広告が入っている。ソフトウェア自体は165Hzの画面で滑らかに動くが、プリインストールされたゲームやアプリ推薦ツールの多くが広告にすぎない。収益化の必要性は理解できるし、広告やプリインストールアプリは価格を下げるのに役立っているが、セールでなければ549.99ドルもする小型タブレットとしては残念な点といえる。

 2025年発売時点でAndroid 14を搭載(Android 15は2024年6月にリリースされている)、そして2025年半ばになってもまだAndroid 14という事実は将来のアップデートに不安を残す。OS3回、セキュリティ4年の更新が約束されているが、素早いタイミングでの更新は期待しない方がいい。Android 16のリリースが迫っているが、同製品にいつAndroid 15が配信されるかさえ、まだ明らかになっていない。

Legion Tabのホーム画面箱 提供:Jason Cockerham/CNET
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外出先でゲームを楽しむ最良の方法

 全体として、筆者はLegion Tab(第3世代)に魅了された。バックパックに収まり、好きなコントローラーと組み合わせても邪魔にならず、性能は十分。画面は美しく、バッテリーも長持ちし、付属品も実用的だ。

 ストレージの選択肢があるとうれしいし、ソフトウェアの更新については間違いなく改善の余地がある。549.99ドルという価格を考えればなおさらだ。それでも現時点では、モバイルAndroidゲーミングタブレットとしてこれより優れた選択肢はないだろう。

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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