Criteoが米国時間2月18日に発表した2014年度第4四半期の業績は、売上高が2億3300万ユーロ(前年同期比71%増/為替変動の影響を除くと69%増)で、前年同期から大きく伸長した。2014年通年では、売上高が過去最高となる7億4500万ユーロ(前年度比68%増/為替変動の影響を除くと70%増)、純利益は前年の100万ユーロから3400万ユーロ増加して3500万ユーロに達した。
2014年度が好調だったのは、年度末までにPCからモバイルまでをカバーする“マルチスクリーンソリューション”を約8割の広告主が採用したことや、2014年第4四半期中にCriteoエンジンの機能を拡張し、コンバーションが最大化されるよう工夫したことなどが要因とみられる。
同社代表取締役兼アジア太平洋地域統括責任者の上野正博氏は、2月20日に開いた2015年度の事業戦略説明会の席上で「割と満足いく内容だった。特に売上が伸びたのは、花開くまでに時間がかかっていた北米。ようやく大きな成長ができた」と2014年度を振り返った。
ダイナミックリターゲティング広告分野で存在感を示すCriteo。現在は世界に23拠点を持ち、130の国と地域で、9000社超の媒体社、7190社の広告主にサービスを提供している。そしてアジア太平洋地域では、日本、中国、韓国、シンガポール、オーストラリアの5カ国に6拠点(日本に東京、大阪の2拠点)を構え、14の国と地域に展開している。
上野氏によれば、2015年度は(1)新たな国と地域への進出、(2)エンジンのさらなる改良、(3)デバイスやチャネルの増加(クロスデバイス)――に特に注力するという。
Criteoの日本法人は2011年に設立。2014年度はモバイルのウェブブラウザへの対応を進め、Android OSだけでなくiOSへの広告配信を開始した。また、商品点数の少ない広告主向けに提供する、クリエイティブを単一商品に絞った「シングルパフォーマンスバナー」や、直近でウェブサイトを訪問していない購買経験者または新規ユーザーにアプローチできる「Acquire」の販売を強化。Cookieが機能しないアプリ内への広告配信も新機能により実現した。
2015年度はどうするか。Criteoの日本担当マネージングディレクターである鈴木大海氏によれば、引き続きモバイル対応を強化することに加え、複数のデバイスをまたいでパーソナライズ広告を配信するクロスデバイス対応に注力する。
また、顧客の費用対効果を上げるためにエンジンの精度をさらに向上させる方針。さらに新たな取り組みとして、ブラウジング履歴に基づくパーソナライズされたEメール広告配信を下半期に開始する予定という。
エンジンはより強力なものになっていきそうだ。「広告がクリックされるかどうかが非常に重要……というのは過去の話」と鈴木氏。2014年度には広告をクリックしてから購入の可能性が高い消費者の予測に注力してきたが、2015年度は、コンバージョン件数を増やすだけの予測ではなく、売上金額を高めるために、消費額が多い消費者の予測に取り組む。なお、コンバージョン件数を求める顧客への対応も継続するという。
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