友だち30万人が「840万人」に--NTT Comが明かす「LINE」運用のコツ

井指啓吾 (編集部)2015年02月18日 09時00分

 世界で約1億8100万人、そのうちトップシェアを占める3カ国(日本、タイ、台湾)で約9200万人の月間アクティブユーザー数を誇る「LINE」。それら多くのユーザーに自社の情報を届けるべく、公式アカウントを開設する企業が増えている。

  • NTTコミュニケーションズのLINE公式アカウントを運営する八木貴之氏

 LINE公式アカウントで一歩先を行く企業の1つが、通信サービスなどを提供するNTTコミュニケーションズ(NTT Com)だ。2013年に制作したプロモーションスタンプ(スポンサードスタンプ)がヒットして、当時約30万人しかいなかった「友だち」が一気に260万人にまで増えた。その後もスタンプを2回配信するなどユーザーを飽きさせない工夫を続け、2015年2月時点で友だち数約840万人を抱えている。

 NTT Comが実践するアカウント運用のコツとは――。各社の担当者が頭を悩ます「投稿内容の決め方」や、NTT Comが運用を通して得た「友だちブロック防止策」「スタンプの“LINEナイズ”」などの知見を、同社第一営業本部 ダイレクトマーケティング部門の八木貴之氏が、ソーシャルメディア活用支援サービスを手掛けるメンバーズが開催したセミナーで語った。八木氏は、2013年からソーシャル/メルマガでのマーケティングを担当している。

LINE活用の目的はなにか

 運用のコツをお伝えする前に、各社で異なる「LINE活用の目的」を整理する。アカウント開設後の「友だち数/リーチの拡大」は各社共通するものとしても、その後のアクションは「商材」「チャネル」「組織の役割」によって異なるはずだ。

 通信会社であるNTT ComがLINE経由で扱う商材は、主に通信サービスとスマートフォン(デバイス)のセット。そしてこれを販売するチャネルは、同社直販サイト「NTTコムストア」だ。最後の“組織としての役割”は「NTTコムストアでの販売と、デジタルマーケティングを実施すること」(八木氏)。

 つまり、友だちとなったユーザーを、LINEからECサイトに誘導して商材を購入してもらうのがNTT Comの目的で、八木氏によると、「年間でみると、LINEにかかる費用を販売により十分ペイできている」とのこと。今回はこのケースを前提とした説明となる。

LINE運営「4つのステップ」

 八木氏は、LINE公式アカウントの運営には4つのステップがあると説明する。まず「ベースとなるユーザー(友だち)を増やすこと」。続いて「友だちに“共感”されやすい投稿をすること」。次に「商材自体も共感されるようにし、購買につなげること」。そして最後に、3点目までを発展させて「友だちに他ユーザーに共有・拡散してもらえるアカウントとなること」。このポイントごとに対策を講じる必要があるという。

  • LIME公式アカウントを運営する上での4つのステップ

 友だちを増やすにはスポンサードスタンプが有効だ。これは企業が自社キャラクターなどをスタンプ化してユーザーに無料配布するもので、ユーザーがスタンプを使うには公式アカウントと友だちになるなどの条件をクリアする必要がある。

 NTT Comは2013年から現在までスタンプを3回作っている。初回から順に、230万人、260万人、320万人と友だちが増加したという。そのうち2回のスタンプ制作を八木氏が担当した。「スタンプを作る上で“キャラクターをどうするか”はやはり重要。NTT Comには3つのキャラクターがある。配信してわかったのは、当たり前ではあるが、認知率の高いキャラクターほどウケること」。

 NTT Comのスタンプに使われたキャラクターは、グループ会社のNTTぷららが提供している、フレッツ 光向けの映像配信サービス「ひかりTV」のキャラクター「ひかりカエサル」。テレビCMに出演していたこともあり「認知率は他のキャラクターより高かった」という。

  • スタンプ制作のポイント。イラストはスタンプ版の「ひかりカエサル」

 八木氏が強調したのは次の段階、決定したキャラクターを「LINEナイズ」すること。これはLINE向けにキャラクターのデザインに手を加えることだ。ひかりカエサルでいえば、本来、手と足がもっと長くて三頭身に近い姿が、スタンプでは約2等身に縮まっている。また「かわいい、オーバーアクションなスタンプにできるかが大事」と八木氏が言うように、実物よりも表情が豊かだ。

 さらに細かい部分では、もともとなかった「縁取り」を付けた。スマートフォンで見ることを考えて調整した結果、現在の太さになったという。八木氏によれば、「そこそこ太いほうが効果がある」そうだ。

 なお、各社で自社キャラクター利用時の規則を定めているはず。今回は、キャラクターの管理をしているNTTぷららが「お客様が喜ぶスタンプを作ろう」との協力により実現できたようだが、キャラクターを管理する部門と目標を共有し、等身を縮めたり、オーバーアクションをとらせたりすることなどの特例を承認できる体制を構築できるかがポイントのようだ。

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