2014年はFacebookアプリの年であった。同社が「iPhone」や「iPad」、そして「Android」搭載機器向けに提供しているほとんどのモバイルアプリはこの1年で登場している。例を挙げると、ニュースフィードの新たな閲覧方法を提唱する「Paper」や、Facebookのグループ機能を利用するための「Groups」、モバイルメッセージの新たな可能性をひらく「Slingshot」、昔からあるソーシャルネットワークを21世紀向けに焼き直した「Rooms」、著名人専用の「Mentions」、タイムラプスビデオを簡単に撮影できる「Hyperlapse from Instagram」といったものがある。
Zuckerberg氏は1月の電話会議において「『Messenger』やGroups、『Instagram』といった製品におけるわれわれの取り組みで明確にしておきたいのは、ユーザー自身が選んだ好きな相手にどのようなコンテンツでも共有できるようにする製品群を作り出すことがわれわれFacebookのビジョンであるという点だ」と述べた。
もちろん、サービスを個別のアプリに分割しているのはFacebookだけではない。例を挙げると、GoogleやApple、米Yahooといった各社も同様の戦略を推し進めている。そして今後もFacebookから数多くのアプリが発表されるのは間違いない。このためアプリストアをこまめにチェックしてほしい。
Facebookによる取り組みのなかで異彩を放っているのは、3月に買収した仮想現実の新興企業Oculus VRに関するものだ。仮想現実は長い間SFの世界、特に90年代初頭の映画「バーチャル・ウォーズ」に出てくるような話であった。そして、2年半前にOculus VRが仮想現実ヘッドセットの「Oculus Rift」を発表するまでは、商業的に成功しているテクノロジとは言い難かった。
このデバイスは業界を1つ丸ごと生み出し、関連するゲームやアプリ、映画、そして競合製品が数多く作り出された。「PlayStation」のメーカーであるソニーは3月、「Project Morpheus」と呼ばれる独自の仮想現実製品の開発計画を発表した。またGoogleは、FacebookがOculus VRの買収を発表したわずか3カ月後に、段ボール製の独創的な仮想現実ヘッドセットを発表した。
Oculus VRは、世界最大のスマートフォンメーカーであるサムスンと提携し、「Gear VR」という携帯端末用の仮想現実ヘッドセットにOculus VRのテクノロジを組み込んでもいる。なお、このデバイスは12月に米国で発売された。
Project MorpheusとOculus Riftはいずれも2015年に発売されると考えられているが、ソニーもFacebookも発売日を公表していない。しかし、こういったデバイスが一般大衆に受け入れられるかどうかの方が、重要な問題だと言えるだろう。
ただ、この種のデバイスが当初うまく軌道に乗らなかったとしても、Zuckerberg氏が同分野から撤退すると考えてはいけない。同氏は7月の電話会議で「私がこの会社の10年単位での軌跡について心の底から気にかけているのは、次のコンピューティングプラットフォーム群がどのようなものであれ、それらとさまざまなかたちで関わり合うことと、次のコンピューティングプラットフォーム群が決定付けられる際に次世代のコンピューティングがどういったものになるのかを方向付けるうえで手助けができるよう、今適切な投資をすることだ」と述べるとともに、「私は仮想現実や拡張現実、ビジョン、われわれが取り組んでいる人工知能分野すべてが重要な役割を演じると考えている」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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